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WWWはどのようにして生まれたか

2009年1月19日(月)
菊池 崇

ティム・バーナーズ=リーによって開発された「WWW」

 現在では、誰でも当たり前のように毎日利用しているインターネットにも、ライト兄弟が飛行機を発明したように、もちろん発明した人がいます。もし、あなたがWebの世界に携わるのであれば、Webがどのようにして生まれたのかを知っておくことは最低限必要なことかもしれません。また、WWWとインターネットの違いを理解することも必要なことです。

 WWWを開発したのは、ティム・バーナーズ=リー(http://www.w3.org/People/Berners-Lee/)というイギリスの開発者です。彼はイギリスの大学で物理学を専攻していましたが「コンピューターの方がおもしろそう」という理由でコンピューターへ没頭していました。

 彼は大学卒業後の1980年に電話通信会社でバーコードなどの通信技術の研究を経て、スイスの欧州原子核研究機構(CERN)にてコンサルタントとして働いていました。CERNは2008年の9月にスイスとフランス国境で大型ハドロン衝突型加速器を稼働開始させた有名な研究所です。当時から研究所では数千人もの研究者が在籍して、それぞれの研究をしていました。

 ティム・バーナーズ=リーは、CERNで研究者が情報を共有するシステムを構築することを命じられました。偶然にもその当時、ティム・バーナーズ=リーは自身の研究として情報を共有できる「ENQUIRE(http://www.mat.ucsb.edu/~g.legrady/academic/courses/03w200a/dataDriven/images/berners-lee/enquire_manual.pdf)」というシステムを開発していました。これは世間にでることはありませんでしたが、WWWの原型とも言われています。

 「ENQUIRE」はNorsk Data社のマシンで動くクローズドのデータベース+Wikiのようなもので、ランダムに文書を結びつけることができました。文書を結びつけ、それを編集することができるというのが主なシステムの概要だったようです。現在のWikiに非常によく似ています。

 その後、彼はいったん、CERNを離れます。しかし4年の後の1989年にCERNに戻り、「ハイパーテキストシステム」を提案しました。翌年の11月に彼はあらためて「WorldWideWeb:Proposal for a HyperText Project」というプロジェクトを提案し、1991年の世界初のブラウザ、HTMLエディターの「WorldWideWeb(http://www.w3.org/History/1994/WWW/Journals/CACM/screensnap2_24c.gif)」を開発しました。驚くことに彼の開発したブラウザWorldWideWebは今でもあまり古さを感じさせません。

 また、CERNで彼が作成したWebサイトが世界で最初のWebサイト(http://info.cern.ch/)になります。当時のものは残念ながら残っていませんが、ティム・バーナーズ=リーがWWW開発当時、利用していたNeXTのパソコンも写真が掲載されています。

ARPANETが原型となった「インターネット」

 ティム・バーナーズ=リーはWorldWideWebとハイパーテキストシステムを開発しましたが、インターネットを開発したのは彼ではありません。インターネット自体は1969年に米国の国防総省にて、より簡単な情報の共有・通信するためのコミュニケーションの方法として提案された「ARPANET(アーパネット)」が原型となっています。また、このARPANETの開発中に、現在の通信でも使われる「パケット方式」が生まれました。

 そして、インターネットとWWWの2つの技術が1990年にマージすることよって、そこからものすごいスピードで広がりをはじめました。

【参考文献】

「Wikipedia」(http://ja.wikipedia.org/wiki/ティム・バーナーズ=リー)(アクセス:2008/12)

「Data Driven Interactivity」(http://www.mat.ucsb.edu/~g.legrady/academic/courses/03w200a/dataDriven/index.html)(アクセス:2008/12)

「History of the Web」(http://www.w3c.rl.ac.uk/primers/history/origins.htm)(アクセス:2008/12)

「World City-to-City Connections」(http://www.chrisharrison.net/projects/InternetMap/index.html)(アクセス:2008/12)

「Historical Maps of Computer Networks」(http://personalpages.manchester.ac.uk/staff/m.dodge/cybergeography/atlas/historical.html)(アクセス:2008/12)

ActLink株式会社(http://www.actlink.co.jp/)にてプロデューサー、allWebクリエイター塾(http://all-web.org/modules/tinyd5/)では、XHTML+CSS、Microformatsの講師。また、2008年11月に行われたWeb Directions East(http://south08.webdirections.org/)のプロデューサーでもありMicroformats japanの代表。

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