仮想環境の管理手法!
物理/仮想両方を視野に入れたバックアップと復元
バックアップと復元は、IT部門にとって重要な仕事であるにもかかわらず、多くのエンジニアが不安を抱えるポイントでもあります。バックアップは取れていても、いざ情報を復元しようとすると非常に時間がかかってしまうこともあるでしょう。
マイクロソフトは容易なバックアップ環境と迅速かつ容易な復元機能を提供するため、「System Center Data Protection Manager(以下SCDPM)」を提供しています。
SCDPMは、業務サーバのディスク上にあるデータをバックアップサーバ上のディスクにバックアップすることで迅速な復元環境を整えつつ、長期保存が必要なものだけをテープで保管するD2D2T(Disk to Disk to Tape)のパターンを推奨するバックアップソフトウェアです。
バックアップ対象として、OS上のファイルだけでなく、SQL ServerデータベースやSharePoint Server、Exchange Server、そしてVirtual Server(2008年中にHyper-Vにも対応予定)をサポートするため、各種アプリケーションが保持する独自の情報を適切にバックアップすることが可能です。
迅速な復元とデータの整合性などを考えれば、仮想サーバのバックアップとその上で稼働するアプリケーションのデータ保護は別物と考えていただきたいのですが、その両方を1つの画面からバックアップできるところがSCDPMの特徴でもあります。
業務システムでもWindows Serverの利用率は高まっており、バックアップ環境の整備は重要度を増すことでしょう。また、セキュリティと同様利益に直接結びつかないバックアップ環境に対して、低コストで迅速に整えつつ完成度の高いツールによって確実にデータを保護していく必要性を誰もが認めるところでしょう。
仮想環境を利用した小規模システムの事業継続計画
企業の事業継続計画にはさまざまな要件が含まれますが、その中でも、日々の業務を支え、企業の重要なデータを保持するITシステムに関して、保護環境の整備は急務と言えます。
そこで、大手企業は膨大な費用を投じてでもシステムを守ろうとインフラを整備していたり、アプリケーションに同様の仕組みを組み込んだりしています。しかし、今やITは大手企業のためのものではなく、どのような規模の企業であっても業務システムの保護は必要不可欠なものとなりました。
そこで注目されつつあるのが仮想化技術を利用した代替策です。例えば、SCVMMによって東京で稼働する仮想サーバをほかの拠点に複製する、SCDPMでバックアップした仮想サーバとアプリケーションのデータを遠隔地に保管しておくといったパターンが思いつくでしょう。
これらは、秒-分単位で更新されるデータを災害から守る仕組みではありません。しかし、限られたIT予算の中で企業のシステムとデータを保護する必要がある企業にとっては選択肢の1つとして無視できるものではありません。
今回紹介したSCVMM、SCOM、SCDPMの管理環境は、Windows Server 2008の標準機能として提供されるWindows PowerShell上でコマンドとして実装されており、GUIの管理ツールはそれらのコマンドを正しく呼び出すツールという位置付けとなっています。Windows Server 2008と運用管理ブランドSystem Centerによって仮想化に加えて自動化も推進し、戦略的でダイナミックなITを目指していきます。
今回は、Windows Server 2008と仮想化を取り巻くIT環境の運用管理について、ポイントを整理して紹介しました。各製品がWindows Server 2008に対応するタイミングについては、「マイクロソフト製品の Windows Server 2008 対応状況(http://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/supported-applications.mspx)」をご確認いただき、今後のシステム展開にお役立ていただければ幸いです。
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