FreeNASでストレージ専用機の構築
FreeNAS OSイメージのインストール
FreeNASの起動方法は3つある。1つ目がハードディスクにインストールする方法、2つ目がCD-RにOSイメージを焼いてからCD-Rで起動し、設定ファイルはUSBメモリに格納する方法、3つ目がUSBメモリにOSイメージをインストールしてからUSBメモリで起動する方法だ。
お勧めは3つ目のUSBメモリで起動する方法だ。OSすべてをUSBメモリで動かすことができれば、搭載しているハードディスクを余すことなく活用することが可能になる。またUSBメモリは書き換え可能であるから、FreeNASのアップグレード時にCD-Rを作成し直す必要もなく、環境にも優しい。ただし、古いマシンの場合、USBメモリからの起動ができない場合がある。その場合は2つ目の方法が良いだろう。
今回用意したハードウェアはUSBメモリでの起動が可能だったため、3つ目の方法をとることにした。
USBメモリへのインストール方法は2通りある。1つ目がCDイメージをCD-Rに焼き付けた後、そのCD-Rから起動して、USBメモリへインストールする方法、もう1つが、USBへ直接イメージをインストールする方法である。CD-Rを作成してからUSBメモリへインストールする方法はマニュアルやそのほかのWebサイトでも紹介されているため、本連載ではUSBメモリへ直接インストールする方法を紹介する。
まず、FreeNASのWebサイト(http://www.freenas.org)内のダウンロードページから「FreeNAS Image」のファイルをダウンロードする。これはUSBメモリにセットアップするOSイメージファイルだ。ファイル名はFreeNAS-i386-embedded-XXXX.imgになる。XXXXはバージョン番号とビルド番号が入る。原稿執筆時(2008年6月17日)の最新は安定版でバージョン0.686.4、ビルド3374であった。
次は、ダウンロードしたイメージファイルをUSBメモリにセットアップする。イメージファイルはgzip圧縮されているため、gunzipで展開しつつddでUSBメモリへ書き込むことになる。
Linux、FreeBSD、Mac OS Xであれば、以下の通りだ。
# gzip -cd FreeNAS-i386-embedded-0.686.4.3374.img | dd of=/dev/disk1 bs=16k
Windowsの場合だと、少々面倒である。WinZIPなどでgzip圧縮を展開した後、dd for windowsなどを使用して書き込む。ただ、いずれの場合も、書き込みそのものは数秒で終了する。
書き込みが完了したら、USBメモリから起動する。しばらくすると図2のような画像が表示され、起動がうまくいった場合は軽快なビープ音が鳴る。
IPアドレスの設定
FreeNASのユーザガイドは非常によくできており、基本的にはユーザガイドで済んでしまう。これから先は筆者の手順を紹介していくが、詰まったときにはユーザガイドを読むのが良いだろう。
初めて起動した直後のFreeNASはデフォルトで192.168.1.250という固定IPアドレスが割り当てられている。まずはIPアドレスを変更しよう。もっとも、IPアドレスの変更もメニュー化されているので簡単だ。
先ほどの「FreeNAS起動画面」が出ている状態でAltキーを押すと、「Console setup」が表示される。ここでは管理者パスワードや設定をリセットしたり、停止や再起動などが行えるようになっており、IPアドレスの設定も可能だ。
「Set LAN IP Address」を選択すると、CUIベースだがウィザード方式でIPアドレスを設定できる。FreeNASはDHCPによるIPアドレス割り当ても可能だが、本連載では192.168.72.20/24という固定IPアドレスを割り当てた。サーバとして利用するならば、IPアドレスは固定が望ましい。
IPアドレスが設定できたら、ここからはすべてWebブラウザで管理が可能になる。Web管理画面では、ディスクの構成やサービスの起動/停止管理はもちろん、ディスク使用状況などのレポート表示やFreeNASのアップグレードも行えるようになっている。
では、早速Web管理画面を見てみよう。http://192.168.72.20にWebブラウザでアクセスするとIDとPassword入力のダイアログが出る。ここではデフォルト設定のID=admin、Password=freenasでログイン可能だ。
ID=adminのパスワードはWeb管理画面からでも、先ほどのConsole setupからでも変更可能だ。すぐ変更することをお勧めする。Web管理画面からであれば、左のメニューの「System → General」から「Password」タブをクリックすることで、変更可能だ。また、Generalメニューで表示言語を変更することも可能である。Japaneseを選択すれば、おおむねのメッセージが日本語化される。本連載では、英語メニューを基本に紹介していく。
これまでの作業で、FreeNASを管理できるようになった。イメージの書き込みに手間取らなければ、ここまでの作業は15分足らずで作業できる。
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