グループポリシーを使って楽々管理
ユーザー環境のメンテナンス
Windows Sever 2008から新しく実装された機能に「グループポリシーの基本設定」がある。これは、従来ログオンスクリプトなどで実装してきた要件をグループポリシーで制御できるようにしたものだ。例を挙げながら設定方法について画面を使って紹介する。
まず、ログオン時にホームディレクトリや業務用共有フォルダをクライアントにマウントする場合を考える。共有フォルダをマウントするには、グループポリシー基本設定の中の「ドライブマップ」機能を使用する。図3-1はその設定例だ。この指定により、ユーザーのログオン時に「\\KeiriServer\Report」が「K:」ドライブにマウントされる。ただし、赤線で囲んだ部分に注目していただきたい。接続時に使用する専用のユーザーIDを指定していることがわかる。これにより、利用者個々にファイルサーバーへのアクセス権を与える必要が無いため、共通のフォルダを安全に手間無く公開することができる。
続いてドメインの各ユーザーに報告書テンプレートといった共通ドキュメントを配布したい場合を考える。図3-2はグループポリシーの基本設定を使用したファイル配布の設定例だ。「報告書テンプレート.docx」を、ユーザーのホームディレクトリに配布していることがわかる。
ここで、配布先のパスとして「%UserName%」を指定している。これはユーザー名を現す環境変数で、これによりログオンしたユーザーごとのホームディレクトリにファイルを配布することができる。
ただし、環境変数を使用する際に注意しなければならないのは、コピーを実行する際に使用するユーザーだ。既定ではシステムアカウントが使用されるが、その場合には%UserName%環境変数は個々のユーザーIDに置き換わらない。よって、図3-3に示す通り、[共通]タブで「ログオンしているユーザーのセキュリティコンテキストで実行する」をチェックしておく必要がある。
最後に、業務で使用するWebサイトを、社員の使用する「お気に入り」に追加したいと考えることがあるだろう。図3-4はその設定例である。グループポリシーの基本設定を使用することで、ショートカットの配布先(ここでは「エクスプローラーのお気に入り」を設定)とURLを指定すればよい。同様に、業務アプリケーションへのショートカットをデスクトップに配布することも可能だ。
Windows Server 2008の評価版
これまで全3回にわたってWindows Server 2008のファイルサーバー機能について解説してきた。紙面の都合で詳しく言及できない部分もあったが、「Windows Serverもなかなかやるじゃん」とお考えいただければ幸いだ。ご興味のある方は、評価版の「TechNet サブスクリプション」(ライセンス費用:39,000円)を試してみることをお勧めする。