メインライン化したTOMOYO Linux
組み込み機器にも適している
前述のように、メインライン化された後も1系の開発は継続して行われています。次はネットワーク制御機能の実現を目指して、TOMOYOの機能を追加していくための取り組み(Linuxカーネルメーリングリストへの投稿)を継続して行っています。これまではメインライン化の活動を中心にOSSとしての活動が中心でしたが、今後は商用で使われることも意識した活動もしていきます。
TOMOYOはパス名を使った制御をしていますので、ファイルシステムを選びません。またアクセス制御設定も簡単にカスタマイズできます。現在TOMOYOプロジェクトで適しているのは、サーバー以外では組み込み機器だと考えています。
CE Linux Forum主催のJapan Technical Jamboree 27, 28では、Androidに独自版のTOMOYOを導入した場合の紹介をしました(図3)。この時の模様はビデオ(http://www.celinuxforum.org/VideoArchive/JJAM28_1c.html)が公開されているので、いつでも見ることができます。
組み込み機器の場合、「特定の機能だけを使いたいが、開発期間も短くLinuxをカスタマイズしきれない」ということもあるかと思います。そんな時にTOMOYOを使えば、必要な機能だけ動くようにカスタマイズすることも簡単です。今回はAndroidを例にしていますが、LinuxであればTOMOYOを使うことができます。組み込み機器でTOMOYOを使ってみたい方は、TOMOYOプロジェクトまでお気軽にお問い合わせください。
よく「どのくらい使われているのですか?」と質問を受けることがありますが、TOMOYOはオープンソースなので、私たちにはダウンロード件数しかわかりません。TOMOYOを使った機器やシステムを構築されている方は、ぜひTOMOYOプロジェクトにご意見、ご感想、あるいはご要望をお知らせいただければと思います。商用用途、オープンソース、いずれであっても喜んでお手伝いさせていただきます。
TOMOYO Linuxに関する情報源
TOMOYOに関する情報源について、まとめて掲載しておきます。
1)TOMOYOの詳しい説明
・プロジェクトサイト(http://tomoyo.sourceforge.jp)
・TOMOYO Linuxの世界(http://tomoyo.sourceforge.jp/wiki/?WorldOfTomoyoLinux)
2)TOMOYOの導入手順
・2系(http://tomoyo.sourceforge.jp/ja/2.2.x/)
・Red Hat系:HowToRedHat(http://sourceforge.jp/projects/tomoyo/wiki/HowToRedHat)
・Debian:HowToDebian(http://sourceforge.jp/projects/tomoyo/wiki/HowToDebian)
3)イベント情報
はてなキーワードの「TOMOYO Linux」(http://d.hatena.ne.jp/keyword/TOMOYO%20Linux)にて、過去のイベントや少し先の情報を公開しています。
4)メーリングリスト
質問や要望などを送ってください。どちらに送っていいただいても構いません。
・利用者向け(http://lists.sourceforge.jp/mailman/listinfo/tomoyo-users)
・開発者向け(http://lists.sourceforge.jp/mailman/listinfo/tomoyo-dev)
このほかにも匿名で質問したい場合は巨大掲示板などを利用してみると、関係者が答えてくれるかもしれません。
今回の連載では、TOMOYOの開発にご協力いただいている、ディストリビューションの開発者の方々にご協力をお願いしています。TOMOYOプロジェクトとのかかわりなどを含め、各ディストリビューションで使うTOMOYOについてご紹介いただきます。私を含めたプロジェクトメンバーも大変楽しみにしています。