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| 品質の目標管理をしているか | ||||||||||
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次に、品質について目標設定をしているかどうかを聞いている。 先の回答から予想されるように、特に設定をしていない企業は全体の2/3の67.0%であった。テスト条件を決めているのが22.9%、障害件数のような定量的な品質の目標を決めているところは、わずか10%以下にとどまった(図6)。 ひところの大型機の開発プロジェクトと違い、パッケージを多用する昨今の開発では、こうした定量的な品質を設定して管理することは難しくなっている。しかし、プロジェクトの進行をはかるメジャーがなければ科学的なプロジェクト推進はできない。何も決めていない2/3の企業と、工期や予算をベンダーに見積もってもらっている企業とは恐らく重なっているのであろう。 では、こうした品質管理は、実際のプロジェクトの仕上がりの満足度や、予定されたスケジュールや予算を守ることに役に立っているのだろうか。目標設定の各項目に答えている企業のそれぞれの満足度と工期や予算の状況のクロス分析をしてみた。 それによると、何らかの品質管理の目標を持っている企業が、仕上がりに不満を持つ比率は、100人月以下の小規模プロジェクトで5.8%、100〜500人月の中規模プロジェクトで18.9%、500人月以上の大規模プロジェクトで24.8%なのに対し、目標を持っていない企業では、それぞれ10.3%、28.6%、32.3%と明らかに不満が多い(図7)。 満足度という主観的な物差しではなく、実際の工期や予算はどうだろうか。 品質目標を持っている企業で、プロジェクトの工期が常に遅れると答えた企業は、小規模プロジェクトで11.6%、中規模で35.9%、大規模で49.6%なのに対し、目標を持っていない企業では、それぞれ20.4%、48.2%、54.1%と、やはり目標を持っていない企業の方が遅れることが多いと答えている(図8)。 一方予算では、品質目標を持っていると答えた企業の予算の超過の割合は、小規模プロジェクトでは6.6%で、持っていない企業の15.2%に対し明らかに少ないが、中規模になるとその差は小さくなり、大規模ではむしろ逆転している(図9)。 これは、プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、ソフトウェアの開発の進捗管理だけでは予算を制御しきれないこと考えれば納得がいく。また、先に述べた通り、日本の企業は予算については工期に比べて管理が厳しく、特にソフトウェアの品質目標を設定しているような企業では予算管理についてもシビアに査定が行われているからと見ることもできる。いずれにしても、何らかの品質目標を持っている企業のほうが、プロジェクトをうまく進行させて満足度も高いという裏づけが得られた。 |
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| システムライフサイクルコストの考慮 | ||||||||||
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企業のIT部門は、もはやプロジェクト推進を直接やる必要はない、ベンダーに任せればよい、企業経営にどれだけ寄与するか、もっと上流部分を考えれば良いのだという見方もあるだろう。 それでは、トータルコストの観点から、開発するシステムの使用期間、システムライフを企業のIT部門はどう考えているのであろうか。システムライフのトータルコストを少しでも考慮している企業は、62.3%である。残りの37.7%はまったく考慮していないという結果となっている(図10)。 |
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