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| 急成長の人材紹介企業の決断 - 営業業務プロセス革新 | ||||||||||
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「相当の投資額になるのはわかっているが、今ここでビジネスプロセスを見直し、営業システムとして仕組み化しておかないと、後からでは取り返しがつかない」 このように不退転の覚悟を決めて、創業以来初の大規模ITプロジェクトを2005年に始動されたのが、弊社の営業支援ソリューションを導入することを決定した人材紹介サービス業A社だ。 同社は業界の常識を覆す斬新なビジネスモデルで急成長を続けている。筆者もプロジェクトに一部携わったが、とにかく企業としての一体感、明快なリーダーシップ、導入から検証までのスピード、次の一手の意思決定の早さなど学ばせていただく点が多かった。 人材紹介業は、候補者情報や企業情報、スケジュール、商談プロセス、文書など管理する情報が多岐にわたる。これらの情報が一元管理されていないと、コンサルタントや営業の人員が増えてもその分煩雑な業務量が増え、非効率である。また何より、候補者と企業とのマッチングに必要な情報の検索が迅速にできないなど、営業力そのものにも悪影響がある。 A社では、急成長して業績も順調な時点で、あえてさらなる上を目指した大規模なIT投資を決断された。そこには、数値を超えた経営陣の強い危機感が見て取れる。 このIT投資の結果、上記の情報が一元的に管理され、候補者情報の検索が容易になり、かつて手作業が多かったために膨大であった社員の残業時間も減少傾向にある。また、営業力が強みの同社では、頻繁に発生した同一候補者への複数担当者からのコンタクトといった業務オペレーション上の問題も解決された。 |
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| 「ナレッジ共有」や「カルチャーの変革」までイメージしたビジョンの効果 | ||||||||||
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さらに感心させられるのが、こちらの企業では、ITの導入を「人と人のフェーストゥーフェースでの対話時間を増やす」という目的のもとで推進されているという点だ。 IT導入リーダーの方は「これまでプログラムとしては用意されていながら、なかなか仕事の忙しさから十分に機能していなかった」と語る。また「先輩社員と新人社員のメンタルケアの場や、独創的なオフィス空間にある個室で語り合う意識共有の時間などを、IT導入により業務非効率を排除することでしっかりと実行していきたい」とのことだ。 本連載の第2回、第3回でも触れたが、IT導入時にリーダーが、企業の競争優位の源である「ナレッジ(非データの情報)共有」や「カルチャー(思考・行動パターン)の変革」までイメージしてビジョンを語っている場合、結果として、自律的にITと組織行動が融合していくものだ。つまり自然に、必要な機能も、優先順位も、導入の方法も、そのような大きなビジョンに従っていくのである。 ベンチャーとして成長しながら人のモチベーションやマネジメントまで深く考えようとされている同社には、弊社としても、今後も精一杯のお手伝いをしていく予定である。 当然、すべての事例をここで紹介することはできないが、Eコマース、マーケティング、営業プロセス、管理会計などテーマは異なれども、多くの企業がITを活用して新しい経営スタイル、ワークスタイルを実現しようとしている。ITと一言でいっても、その背景にはリーダーの思い、危機感、社員の方の行動力など、IT以外の部分の力が果たしている役割が大きいことを改めて実感する。 |
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