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| ソリューションベンダー・コンサルタントとしての役割 | ||||||||||
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これまでいろいろと偉そうなことを書かせていただいた。筆者の所属する企業も、ITのユーザ企業である一方で、何よりお客様にITを活用した新しいワークスタイルを提案し、その実践を支援する立場にある。 ベンダーであり、コンサルタントである我々が何より、ITと経営というテーマを切り離さずに職務を遂行するというミッションを認識する必要がある。我々の提供するソリューションが、少しでも企業の経営効率を上げたり、マーケティングや営業をしやすくしたりすることができるよう、たゆまぬ製品開発、ソリューション提案力を磨かなくてはならない。 筆者は、これからのITベンダー・コンサルティング企業に求められるのは、特に下記の3点だと考えている。
表1:ITベンダーに求められる能力 当然、ITベンダーである以上、卓越した技術力と、新技術についての深い理解が必須となる。次に、その技術を「経営」というフィールドで活かすための提案力が必要となる。クライアント企業の経営課題と組織的な特性を考慮して、もっともコスト効率の高いソリューションを提案する力だ。そして最後に、実際にITが成果を生むための、導入後の変革推進力が求められる。 書籍や雑誌などでも同様の記述を目にされることも多いかもしれない。しかし、ベンダーとして実行に移している企業は極端に少ないのではないだろうか。それは単なる社員研修やサービスメニューを超えた、高い志と能力が必要であるからだと考える。自ら高いハードルであると認識しながらも、新しいITソリューションの導入を検討している企業には上記3点を考慮の上、ベンダー選定にあたっていただきたいと切に思う。 |
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| 最後に - ITが真の経営力につながる社会を夢見て | ||||||||||
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マネジメントの父といわれるP.Fドラッカーは、「新技術や知識によるイノベーションはもっともハイリスクハイリターンであり、実現の確率は決して高くない。むしろ、顧客視点で日々の事業活動の中から発見されるニーズやギャップこそが、大きなイノベーションの源泉になる」と語っている。 これと同様に、技術、コンセプト、スペックのみに依存していては、ITを活用した真のイノベーションは実現しないと思う。生身の人間が介在する以上、明確な顧客志向のリーダーシップのもと、方向性を共有し、互いに協働し、創造的思考と論理的思考を駆使し、健全なコミュニケーションの中でITを活用することに重きが置かれなければならない。 また、逆説的に聞こえるかもしれないが、筆者はITの導入が適切に進めば、人間にしかできない仕事、人間にしか味わえない感動が企業の中にますます生まれてくると考えている。つまり、人間以外でもできる事務作業やチェック業務はITに任せ、ワクワクするアイデアを練る、経営分析手法を企画する、対面で存分に創造的な意見交換ができる場を企画する、互いにチームをつくり協働する、など人間にしかできない仕事を人間が行う、という状態だ。 少資源国である日本の企業では、昔も今も「人材力とそのつながり」こそが最大の武器である。社員同士が強いコミュニティ意識を持ち、明確な理念とリーダーシップのもと、現場が自律的に考え、意思を伝え合い、大きな成果を上げてきた日本企業。IT化とグローバリゼーションが進展する新時代においても、適切にITと日本の強みを活かした経営力を統合すれば、もう一度、その奇跡を再現できるのではないか。筆者は、日々その確信を強めている。 |
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