第6回:Windows Mobile(前編) 〜パーソナルからビジネスへ (2/3)

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第6回:Windows Mobile(前編) 〜パーソナルからビジネスへ

著者:ThinkIT編集局   2007/4/19
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携帯電話とPDA

   ここでWindows Mobileデバイスの立ち位置について考えてみよう。従来、このようなデバイスは「PDA(Personal Digital Assistant)」と呼ばれ、表1のように、かなり限定された用途でのみ活用されていた。
パソコンと連携してのデータの持ち出し
住所録や予定表、ToDoリストの閲覧/編集、PC用メールの送受信
簡単なアプリケーションの利用
非常に限られた、計算機やテキストビューワ、辞書などのアプリケーションの実行

表1:旧来のPDAの主な用途

   PDAはあくまで、メインにPCを利用しているユーザが、外出先でもデータの閲覧と簡単な修正を行える程度の機能のみを備えていた。その後、直接PDAから電子メールの送受信やWebページの閲覧を行いたいという需要から、簡易的な通信機能が搭載されるようになった。

   この段階では携帯電話よりも、PCとの連携が重視され、アプリケーション開発の自由度が高くなった程度の物であり、通信機能は「通話ができない」という点で携帯電話よりも劣るものであった。

   そこに登場するのが「スマートフォン」と呼ばれる、PDAと携帯電話が一体化されたデバイス群である。スマートフォンという定義は非常に流動的で、現状では「電話機能を持ったPDA」という認識が一般的に持たれている。

   このスマートフォンの中心的存在となっているのが、OSとしてWindows Mobile 5.0を採用した、Windows Mobileデバイスである。


Windows Mobileとは何か

   Windows MobileはもともとMicrosoftがPDA向けに提供していた「Windows CE」の流れをくむOSである。320×240ドットのタッチパネル搭載液晶モニタで操作することが基本で、アプリケーションはマルチタスクで動作する。操作性はWindowsに近いものの、あくまでそれは操作性と見た目のみで、Windows用のソフトウェアは動作しない。

   またWindowsに比べ、動作するハードウェアや採用するソフトウェアの仕様が厳格に設定されていた。そのため特に、OSの操作性に手を加えるような「強力な日本語変換ソフト」や「PC用の通信用カード」の導入が難しいという状況が長く続いた。これらの点から、日本ではPalmやZaurusに対して普及が遅れた面が強い。

   Palmは、Windows CEと同様にPCとの連携が基本であったが、本家Palm以外のHandspringやSonyをはじめとするサードベンダーによって通信機能の強化がはかられた。また多くのオンラインソフトの開発者らによって様々なアプリケーションも登場している。

   Zaurus側は、まったく別のアプローチを採用した。PCとの連携も可能だが、基本的には単体での利用が中心で、通信機能などを積極的に取り込んだ。さらにOSをLinuxベースのものに変更するという大改革を行い、独自路線による拡張を成し遂げた。

   Windows CEの展開は後手にまわり続け、最終的に制限が撤廃されるまで他のPDA製品に遅れをとる形となった。撤廃後は、CPUの高機能化や通信機能への対応、ベンダー各社の独自機能の搭載などが進められた。

   さらに、CFカードスロットの搭載によるPHSへの対応や無線LAN機能の採用によって、PCと連携できるにもかかわらず、単体で電子メールのやり取りや限定的ながらWebブラウズを行える環境が整うにつれ、その勢力を拡大している。

   そして、2005年にウィルコムが投入した「W-Zero3」によって、その状況は一変した。

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INDEX
第6回:Windows Mobile(前編) 〜パーソナルからビジネスへ
  ビジネスのモバイル化が生む矛盾
携帯電話とPDA
  W-Zero3がもたらした、Windows Mobileの大転換
1時間で理解するThinkIT流最新IT業界キーワード
第1回 仮想化 〜実装技術は様々
第2回 Web 2.0 〜マーケティングに活用する
第3回 内部統制 〜実装技術は様々
第4回 レガシーマイグレーション 〜移行目的を明確にせよ
第5回 NGN 〜インターネットとの違い
第6回 Windows Mobile(前編) 〜パーソナルからビジネスへ
第7回 Windows Mobile(後編) 〜目的を明確化したデバイスの選択

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