TOP調査レポート> Windows Mobileが備える通信機能
ITキーワード
1時間で理解するThinkIT流最新IT業界キーワード

第7回:Windows Mobile(後編) 〜目的を明確化したデバイスの選択

著者:ThinkIT編集局   2007/4/27
1   2  3  次のページ
Windows Mobileが備える通信機能

   「第6回:Windows Mobile(前編) 〜パーソナルからビジネスへ」では、携帯端末の市場におけるPDAの歴史と現状について解説した。

   W-Zero3をはじめとしたスマートフォンは、従来のPDAと比べて通信機能が強化されている。USBやBluetooth、無線LAN、PHS、HSDPAなどの種類があり、それぞれの機種が以下のようなものを搭載している。
Windows Mobile端末の通信機能の対応状況
表1:Windows Mobile端末の通信機能の対応状況
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   また、通信可能な範囲と速度のイメージについては以下の図1を参照してほしい。

通信可能範囲と速度のイメージ図
図1:通信可能範囲と速度のイメージ図


シリアルポートによる接続

   Windows Mobileデバイスで、現在もっとも基本的な通信方法として用意されているものが、USBポートだ。W-Zero3[es]やEM・ONEはホストとして動作するためUSB対応の周辺機器を扱えるが、一般的にはPCとのデータ連携に使用する。

   また機種によってはBluetoothを内蔵している場合もある。ヘッドセットやキーボードを使う以外は、こちらもほぼUSBポートと同様にPCとのデータ連携用として利用される。なお、Bluetoothモデム機能を搭載した携帯電話と連携して、ダイヤルアップを行える場合もある。

   USBまたはBluetoothでPCと接続すると、PC上の同期アプリケーション(ActiveSync)を通じて、住所録や予定表、ToDoリストなどのデータを同期することができる。また、PC上の各種ファイルを転送可能だ。

   これらのデータ/ファイルをWindows Mobileデバイスで開くには、それぞれ対応したアプリケーションが必要となる。


無線LAN

   無線LAN機能は、社内や家庭内、公衆サービスなどの無線LANに接続できる機能だ。以前は無線LANを用いた同期を行えたが、現在は利用できない。基本的にはInternet Explorer MobileやOutlook Mobile、そのほかのWebブラウザ/電子メールソフトを使った通信用として用いられる。


PHSおよび3G

   PHSおよび3Gも、利用法としては無線LANと同様になるが、通信が行える範囲が広いというメリットがある。

   PHSについては現在ウィルコムが提供しており、理論上32〜204kbpsで通信が行える。地上/地下の両方で基地局が設置されていることから、比較的場所を選ばずに利用可能だ。

   3Gの理論上の下り通信速度は、NTTドコモ、SoftBankがW-CDMA方式で384Kbps、KDDIがCDMA 1X WINで2.4Mbpsとなっている。こちらも地上/地下の両方に基地局が設置されており、利用場所についての問題は少ない。ただしデータ通信はパケット単位での従量制を採用しており、大量のデータ送受信の場合、コストの問題が発生する。


HSDPA

   さらに、イー・モバイルが提供を開始したHSDPAでは、下りの通信速度の理論値が最大3.6Mbpsと、ブロードバンド接続に近くなっている。さらにイー・モバイルでは定額料金制を採用している点もメリットとなる。

   しかし問題として、現在基地局の数が少ない点と、地下での利用が事実上不可である点があげられる。

   これらの利用分野と通信速度、利用可能範囲のメリット/デメリットをよく理解したうえで利用する端末を選択するべきだろう。

1   2  3  次のページ

INDEX
第7回:Windows Mobile(後編) 〜目的を明確化したデバイスの選択
Windows Mobileが備える通信機能
  ActiveSyncによるWindows Mobileとのデータ連携
  ASPとSaaSサービスをWindows Mobileから利用する