第3回:品質管理は製造業のアキレス腱!情報活用で迅速化・効率化を目指す (3/3)

Enterprise Materialized Information
意思決定の迅速化!見える化・見せる化ソリューション

第3回:品質管理は製造業のアキレス腱!情報活用で迅速化・効率化を目指す

著者:日本アイ・ビー・エム  小澤 充明   2007/1/18
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見せる化による情報活用

   障害対応を複雑にしている原因として、製品のアフターサービスに携わる担当者から「設計担当者が部品の共通化に関する意識がまだまだ低い」という意見がしばしば聞かれる。

   設計担当者は作り手の論理で「よい製品を作れば売れ、売れれば利益が上がる」という発想からいまだ脱却できていない。つまり「設計」「開発」「製造」「販売」「アフターサービス」という製品のライフサイクル全体を考慮した設計ができる人は、企業内にほとんどいないというのが現状のようである。

   この課題においてもEMIソリューションによる情報活用は有効に作用する。EMIソリューションは、情報の管理者が情報活用の実態をユーザにフィードバックすることができるからだ。

   例えば「特定製品名+不具合」といった検索キーワードが増加しているならば、それはその製品が何らかの不良を抱えていることになる。この情報を検索結果件数レポートとして設計担当者に提供することで、早期障害対応措置を施すなどのサポートを実施することが可能となる。

   また万が一障害が発生してしまった場合にも、対応方法を検索結果ランキングの最初に表示されるようにすることで、現場のユーザに情報を活用してもらえる仕組み(見せる化)を作ることもできる。この仕組みは特定の情報をスコアリングすることで実現可能だ。

   検索結果ランキングの基となるスコアリングには、「動的スコア」と「静的スコア」の2種類がある。動的スコアは検索キーワードによって算出されるスコアで、文書内の検索キーワードの出現頻度や重み付けによって算出する。

   静的スコアは検索キーワードとは独立した文書が持つスコアで、算出方法については以下の2種類または「算出方法選択なし」を選択できる。
文書リンク
他の文書から特定の文書に対するリンク数、およびそれらのリンク元によって、検索結果におけるその文書の重要度を高くすることができる。
文書日付
日付フィールドまたは日付メタデータを含む文書の場合、文書の日付を使用して適合度を高くするように設定することができる。

表2:静的スコアの算出方法

   検索結果ランキングは動的スコアと静的スコアの合計から決定する。また文書スコアと静的スコアの要素を考慮してランキングを微調整することもできる。

   図4にIBM DB2 Information Integrator OmniFindの検索結果イメージを示す。

検索結果イメージ(IBM DB2 Information Integrator OmniFind)
図4:検索結果イメージ
(IBM DB2 Information Integrator OmniFind)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


今後の情報活用の展望

   今回は製造業での品質の問題を取り上げ端的な例を示したが、現在進行形で部品データをはじめとするマスタデータの統合・一元化などの再整備を行っている企業は非常に多い。特にライフサイクルが長い製品を扱っている企業は、過去の度重なる設計変更の履歴をさかのぼって整備する必要があり、その労力たるや膨大である。

   また一方で、新製品の構造の複雑化/高機能化/短サイクル化が進んでいるため、発生する問題や管理するべき情報も過去と現在では大きな乖離が生じている。このような環境の中で情報の仮想的な統合技術を駆使し、いかに情報を効率的に活用して発生した問題に迅速に対処していくかが必ずや今後の企業の大きなテーマとなるであろう。

   次回は、スキルマネジメントの現場と題して社内外の人的リソース活用の場面での情報活用について取り上げ、EMIソリューションによる解決法を説明したい。

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日本アイ・ビー・エム株式会社  小澤 充明
著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社  小澤 充明
1999年、日本アイ・ビー・エムに入社。入社当初より一貫してCRM/SCMソリューション・パッケージに包含されるBI製品のセールス・テクニカルサポートを担当。2006年から新たな情報共有基盤に関するソリューション提案と技術支援に携わり、情報の有効活用へのどめどないニーズを日々実感している。経営イノベーション グローバルISVソリューションズ所属。


INDEX
第3回:品質管理は製造業のアキレス腱!情報活用で迅速化・効率化を目指す
  製造業における品質管理の現状
  見える化による情報活用
見せる化による情報活用
意思決定の迅速化!見える化・見せる化ソリューション
第1回 すべての人のための情報活用基盤構築の3原則
第2回 重要な情報はどこにある?効率的なデータ活用で「できる営業」に!
第3回 品質管理は製造業のアキレス腱!情報活用で迅速化・効率化を目指す
第4回 必要な人材はどこにいる?企業のコンピテンス管理と人材の検索
第5回 コンタクトセンターで何が起きている?顧客満足度を高めるコンタクトセンター
第6回 「見える化」「見せる化」のための課題 〜セキュリティアプライアンス

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