|
||||||||||
| 前のページ 1 2 3 | ||||||||||
| シンクライアントシステムの今後 | ||||||||||
|
Windowsを利用するためにICAクラアイントやRDPクライアント、Windows XP Embeddedなどが端末側に必要だったり、Sun RayのようにWindowsを利用することを前提としなくても端末にファームウェアがあるように、いずれにしてもサーバ側で実行されたアプリケーションを表示するためのクライアントソフトウェアは必要となります。 梅田 望夫氏の「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」に、「あちら側」と「こちら側」という表現があります。情報発電所としての「あちら側」とフィジカルな世界である携帯電話やPOS端末、パソコンに代表される「こちら側」が明らかに存在することは事実でしょう。 シンクライアントはサーバ・ベースド・コンピューティング(SBC)そのものなので、「こちら側」に、「あちら側」へ接続できる小さなソフトウェアさえあれば、今後はワープロソフトなどのオフィスツールやCRMなど、ほとんどの業務アプリケーションを「あちら側」に移行して利用できます。 サン・マイクロシステムズ社が1996年に発表したJavaStationは端末にJVMが搭載され、ネットワーク上のあるゆるJavaアプリケーションを実行・表示できました。Oracle社のNCは端末にWebブラウザが搭載され、ネットワーク上のあらゆるWebアプリケーションを実行・表示できました。 現在すでに、Writely(ワープロ)、Numbler(表計算)、Zimbra(コラボレーションンツール)、Yahoo Mail(メール)、youOS(OS)、SalesForce.com(ビジネスツール)のようなソフトウェア(サービス)がネットワーク上に実在しています。 Webプラットホームという「あちら側」にアクセスできる「こちら側」の端末、名付けるとすれば「Web Station」のような端末がシンクライアントの将来像なのかもしれません。 |
||||||||||
| ネットワーク・ベースド・コンピューティング | ||||||||||
|
このような事象を牽引するのはネットワークパワーだと考えられます。1965年のムーアの法則では、「CPUの性能は18ヶ月で倍になる」としていますが、これは「こちら側」のイノベーションの速度であることと、CPU(コンピュータ)が単独で動作することを念頭においています。 もちろん、「あちら側」にもCPUが搭載されたサーバがあるので、ムーアの法則は依然としてユーザに多くの利点を与えているのですが、それ以上にコンピュータが互いに接続されて1つのコンピュータリソースになっていることに注目すべきだと考えられます。グーグルという「あちら側」の発電所にはコンピュータが10万台も相互接続されてるそうです。 従って、コモディティ化されたCPUの性能向上よりも注目されるのは、ネットワーク性能の向上です。 1993年にサン・マイクロシステムズ社の創業者の1人であるビル・ジョイが、「ビル・ジョイの法則」として「通信網の費用比性能は1年で倍になる。通信網の性能比費用は1年で半分になる」としています。ジョージ・ギルダー氏やロバート・メトカーフ氏も述べたいことは同様で、ネットワークはCPUの性能向上以上の発展をするということです。 シンクライアントシステムはサーバ・ベースド・コンピューティングを実現するためのサーバソフトウェアとシンクライアント端末という要素で構成されています。しかし筆者は将来、ネットワーク・ベースド・コンピューティング(NBC)を実現するためのインターネット上のサービスとWeb Stationという要素で構成されていくのではないかと考えています。 ![]() 図2:ネットワーク・ベースド・コンピューティング |
||||||||||
| 最後に | ||||||||||
|
最後に、シンクライアントシステムを導入する際には、NBCを考慮に入れた導入をすれば(社内に「あちら側」を作り出す)、次世代のパラダイムにスムーズに移行できるのではないでしょうか。 |
||||||||||
|
前のページ 1 2 3 |
||||||||||
|
|
||||||||||
|
|
||||||||||
|
||||||||||
|
|
||||||||||
|
||||||||||
|
|
||||||||||
|
||||||||||


