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たかはしもとのぶの「はじめてのオープンソース」
第6回:OSSのライセンスに沿って運用してますか?
著者:
たかはしもとのぶ
2007/12/19
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オープンソースのライセンスって、どんなのがあるの?
もとのぶ先生
で、金子さんはそのままなんですか?
青井部長・森君
壊れた器のようです。
もとのぶ先生
せっかく「すとーるまんさま」が活躍するネタなのに。まぁ、仕方ないんで、わたしから説明しましょう。
このソフトウェアのライセンスはGPLって言うんだけど、さすがにGPLは聞いたことあるよね?
森君
じーぴーえる、ですか。じーぴーえる、じーぴーえる……。「える」はライセンス(License)の「L」だとして……
青井部長・もとのぶ先生
……
もとのぶ先生
ええと、GPL(
http://www.gnu.org/licenses/gpl.html
)の正式名称は「GNU General Public License」で、GPLというのはGeneral Public License部分からとった略称なんだ。日本語では「GNU一般公有利用許諾契約」と訳されることが多い。
もちろん、GPL以外のライセンスもあるよ。代表的なものを書いてみようか。
表1:代表的なライセンスの概要
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
ソースが公開されていて、再利用可能なところは大体共通しているけど、細かいところは違うよね。
森君
ふーん、いろいろあるんですねぇ。
もとのぶ先生
Windowsとか商用ソフトのライセンスには、例えば10台以上から同時にアクセスしちゃいけません! とか、「個別の使いかた」に関する制限がいろいろある場合が多いけど、主要なオープンソースソフトウェアのライセンスには、基本的にこうした制約はないかな。他人に渡したり、ソースコードを再利用したりする場合の制約はあるけど、入手したOSSを自分で使っているだけなら基本的に自由に使って大丈夫。
森君
ふむふむ。
あれ、このBSDライセンスって、他人に渡すときにソースを開示しなくてもいいし、そのまま製品に組み込んで売ってもいいって、すごい便利なライセンスに見えるんですけど。
もとのぶ先生
そうだね。BSDライセンスのソースを再利用した製品を売っても、そのソースコードを開示する義務がないから製品に組み込まれていることも多い。
若宮さん
昔のBSDライセンスには最初の開発者に対する「謝辞」を載せないとだめっていう「宣伝条項」っていうのがありましたねぇ。いろんなフリーソフトを集めたようなソフトだと、いろんな人に対する謝辞を列挙する必要があって、それだけでドキュメント1ページ埋めつくしたりとか。いまのBSDライセンスではなくなりましたねど。
もとのぶ先生
そうでしたねぇ。「宣伝条項」はGPLと相容れないので、古いBSDライセンスのソフトとGPLのソフトを組み合わせて使えなくて困ったこともありましたよね。
森君
そういうこともあるんですか。結構複雑なんですね。
もとのぶ先生
うん。いろんなライセンスのOSSを組み合わせて使おうとするときは、互いのライセンスが矛盾してないか確認する必要があるね。今のBSDライセンスとGPLの問題はホームページ(
http://www.gnu.org/philosophy/bsd.ja.html
)にも載ってるよ。
森君
はい。後で見ておきます。
本記事はフィクションであり、実在の人物には一切関係ありません。
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著者プロフィール
たかはしもとのぶ(高橋基信)
1970年生まれ。1993年早稲田大学第一文学部哲学科卒。同年NTTデータ通信株式会社(現:株式会社NTTデータ)に入社。
クライアント・サーバシステム全般に関する技術支援業務を長く勤める。UNIX・Windows等のプラットフォームやインターネットなどを中心とした技術支援業務を行なう中で、接点ともいうべきMicrosoftネットワークに関する造詣を深める。
現在は「日本Sambaユーザ会」スタッフなどを務め、オープンソース、Microsoft双方のコミュニティ活動に関わるとともに、各種雑誌への記事執筆や、講演などの活動を行なっている。
INDEX
第6回:OSSのライセンスに沿って運用してますか?
お客様へのソフトウェア納入、きちんとしてますか?
オープンソースのライセンスって、どんなのがあるの?
ソフトウェアのライセンスは、どこを見ればわかるの?