インストールの方法とサポート状況の確認
リリースノートに記載された新機能や注意点を熟読
RHEL4U1がサポートされると判明した後には、RHEL4U1に関するリリースノートを見ます。先のHPのサポートマトリックスではAMDのシ ングルコアCPUでのサポートOSのバージョンがRHEL4であるのに対して、デュアルコアのサポートOSバージョンがRHEL4U1となっているため、 RHEL4とRHEL4U1の間にCPUのサポートの違いがあるはずです。
これらの違いはリリースノートに記載されている可能もあります。CPUに関する機能拡張はカーネルに含まれる項目ですので、リリースノートの「Kernel Notes」を確認します。すると以下のような文が存在します。
——The Red Hat Enterprise Linux 4 Update 1 kernel automatically disables NUMA optimizations (numa=off) by default on systems using the AMD64 dual core processor. This ensures stable operation across multiple systems where each has a different system BIOS implementation for reporting dual core processors.
これによりAMDデュアルコアのCPU上においてRHEL4U1を利用する場合は、NUMA機能(※注)が標準でOFFにされることがわかります。
複数のプロセッサでメモリ領域を共有せずに、プロセッサチップとメモリバスが個別にノード構成を保つこと。なお、Opteronプロセッサではチップ間の高速インターコネクトポートがオンチップで実装されている。
BL25pとRHEL4U1の組み合わせをRapid Deployment Pack Linux Editionがサポートするか
BL25pとRHEL4U1の組み合わせはサポートされていることは既に判明しています。しかし、Rapid Deployment PackによるOSの自動インストールのサポート対象になっているかは未確認です。
この情報はRapid Deployment Packのサポートマトリックスを見ればわかります。Rapid Deployment Pack Linux Editionのサポートマトリックは以下のURLから入手可能です。
http://h20000.www2.hp.com/bizsupport/TechSupport/DocumentIndex.jsp?
contentType=SupportManual&lang=en&cc=us&docIndexId=179111&taskId=101&
prodTypeId=18964&prodSeriesId=332359
上記サイトから「Rapid Deployment Pack Linux Edition Support Matrix」をダウンロードして、サポートされているハードウェアとOSのバージョンを確認します。
サポートマトリックスによると、BL25pとRHEL4 Update 1の組み合わせをRapid Deployment Pack Linux Editionがサポートしていることが判明したので、Rapid Deployment Packを使ったBL25pへのRHEL4 Update 1の自動インストールが可能であることがわかります。
Systems Insight Managerサーバの監視対象になっているかを確認
Systems Insight Managerサーバのリリースノートを確認します。Systems Insight Managerのリリースノートは日本HPのテクニカルドキュメントの「ネットワークとシステム管理」をたどります。
ネットワークとシステム管理のページからSystems Insight Managerの最新版のリリースノートを確認します。リリースノートによると、監視対象として「Red Hat Enterprise Linux 4(AMD64およびEM64T)」が含まれていたため、SIMでBL25pを監視できることがわかります。
以上の結果から、BL25pはAMDデュアルコアCPU搭載の場合、RHEL4U1でサポートされ、かつRapid Deployment Pack Linux EditionでOSを自動インストールすることが可能で、かつSystems Insight Managerによってサーバ監視ができることがわかりました。
このように、レッドハット社が提供するハードウェアカタログとベンダーが提供するOSのサポートマトリックス以外にも、管理ソフトウェアのサポート状況を確認し整合性のとれたシステム提案を行う必要があります。
今回のキーポイント
今回のキーポイントは次のようになります。
- Red Hat Networkを使ってアップデートを入手することは企業システムの運用で必須
- RHELを購入すれば、RHNへのアクセス権が得られる
- Linux上からup2dateコマンドでユーザ登録、アップデート可能
- 非Linuxシステム上からもブラウザ経由でユーザ登録、アップデートを入手可能
- up2dateコマンドは、GUIモードでもCUIモードでも利用可能
- レッドハット社のRHNサイト(http://rhn.redhat.com)へログインするにはRHNアカウントを作成する
- RHEL UpdateのISOイメージはRHN経由で入手できる意味を理解せよ
- レッドハット社とハードウェアベンダーが提供するハードウェアとOSのサポート情報を確認する
- レッドハット社が提供するハードウェアカタログとリリースノートを確認する
- ハードウェアカタログでは、「Additional Details」に注意事項が記載されているので必ず確認する
- ベンダーがサポートするサポートマトリックスを確認する
- 管理ソフトウェアそれぞれについてサポートしているハードウェアとOSを確認する