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  徹底比較!!ERP

2006年のERP市場は、中堅企業向けが主戦場に

2006年5月9日(火)
田口 佳孝

対象業務は会計管理・財務管理・人事管理から生産管理・販売などの全業務展開へ

企業における各業務のうちERPの対象業務は、会計管理・財務管理・人事管理のこの3つの領域が依然としてトップ3である。生産管理・販売管理・在庫管理などは、今まで独自に開発したシステムで対応しているケースがいまだに多い。

つまりERPシステムが持っている標準的な機能では、日本企業における独自のプロセスを処理することができないケースが多いからだ。そのため多くの企業が、ERPのカスタマイズや外付けのアドオンで対応しているのが現状である。

しかしカスタマイズやアドオンは、企業にとって絶対的に必要な部分を除き、でき得る限り排除しなければ、後々にメンテナンスなどで大きな負担が発生してしまうことになるため、ERP導入における最重要課題の1つである。

図3は対象業務別に、ERPパッケージの利用・他の業務パッケージ利用・独自開発のシステム利用について、現状(2005年)と2007年度の状況予測を聞いている。

システム化への取り組み、現状と将来の比較/出展:ERP研究推進フォーラム
図3:システム化への取り組み、現状と将来の比較
出展:ERP研究推進フォーラム
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

「会計管理」「財務管理」「人事管理」のトップ3は、ERPパッケージと業務パッケージの利用の合計で現状50%を超えているが、2007年度では さらにERPパッケージの利用が進み70%を超えると予想させる。ERPパッケージだけでみると「会計管理」「財務管理」で2007年度に40%を占める。

その他の業務である、「人事管理」「販売・在庫」「生産管理」「物流管理」「SCM」「CRM」「経営管理」でも、トップ3に比較するとまだERP の利用率は低いが、生産管理・SCM・CRMなどの全業務で2007年度にERP利用率は大きく進展することが予想されている。

徐々にではあるが、ERPが会計管理・財務管理・人事管理だけの対象から、企業のあらゆる業務に対象が広がって、ERP本来の意味である、企業の全資源の最適計画に貢献する方向が見て取れる。企業の全資源の最適計画をもとに、企業活動のさらなる発展が望まれる。

次回は

次回は、ERP導入の成功のポイントについて解説する。成功事例や失敗事例、そしてERPの変更理由から、ERP導入の成功に必要なことについて迫っていく。

参考

ERP研究推進フォーラム
http://www.erp.gr.jp/


ERP研究推進フォーラム出版物に関する情報
http://www.erp.gr.jp/book/book/index.html


ERP研究推進フォーラムのERP導入に関する研修などに関する情報
http://www.erp.gr.jp/kensyu/body.html
ERP研究推進フォーラム 常任理事

元日本ガートナーグループ代表取締役。大学卒業後、1971年(財)機械振興協会・技術研究所でCAD/CAMの研究業務に従事。1975年にミシガン州アナーバー市のCAD・CAMのソフトウェアサービス会社へ移籍。その後、EDS-ジャパンの立ち上げ、アウトソーシング、コンサルなどに従事。ガートナーグループの立ち上げを経験。

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