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| ソフトウェア開発状況を見渡すために | ||||||||||
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見える化がなぜ必要かを語った第1回、アイデアや思考をどのように見える化するのかを語った第2回、続く第3回ではプロジェクトの現状を把握する「プロジェクトの見える化」について解説する。第1回でシステム開発現場における混乱の原因の1つとしてあげられている「ソフトウェアの開発状況(進捗)が目に見えない」ことを解決するための見える化手法である。 タスクかんばんやバーンダウンチャート、にこにこカレンダーについては、第1回でも触れられているが、より詳しくそれぞれの目的と効果を解説する。 |
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| タスクかばん | ||||||||||
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タスクかんばんは、タイムボックスマネジメントという考えに基づいて作られている。開発に限らず、プロジェクトには必ず存在する何らかの期限(顧客への納期、製品リリース日、広告の出稿期限など)を一定期間(タイムボックス)を単位として区切り、タイムボックスごとに、進捗を見極め調整をはかるチェックポイントを置く。 チェックポイントを動かすことは決してなく、その期間(タイムボックス)内にやる作業をボックスに合わせて決めていく。あるタイムボックスでチームメンバーができる作業量を予測し、見積もった範囲に収まらない作業項目は次のタイムボックスに入れる。これによって必ず作業の優先付けが行われ、チームメンバーは常にチェックポイントを意識し、タスクの調整を繰り返すことで、見積の正確さをあげていくこともできる。 この考え方を実現するタスクかんばんは、タスクカードをタスクの状態ごとに分けて貼り出すことで、プロジェクトの進捗状況を見える化する。 タスクの状態は「ToDo」「Doing」「Done」の3つに分けられ、すべてのタスクはまずToDoの位置に置かれる。サインアップするかアサインされることで担当者が決まり、タスクに着手した時点でそのカードはDoingの位置に移される。作業が終了したら、タスクカードをDoneの位置に移して完了とする。 タスクかんばんは一目で見渡すことができ、常に全体の作業量と現時点でのタスクの進行・完了状況を把握できる。誰がどのタスクに取り掛かっているのか、残っているタスクは何か、チームの誰もが並んだカードを見ることで、現在のプロジェクトの状況を認識できるのだ。 さらに、タスクかんばんがあることで、管理者は常に公開されている進捗をいつでも見られるため、開発者から進捗を聞きだす場面が少なくなる。 もっとも重要なポイントは、一定期間内における作業項目の完了、未完を明確に判断できることである。報告する担当者の感覚に依存しがちな進捗率(パーセントでの表現)でとらえるのではなく、あるタスクが終わったのか、終わっていないのかという点に着目して進捗把握の精度を高めることができる。 また、これらの情報は営業やマーケティングといった開発作業そのものにはあまり接触しないが、製品となったソフトウェアを世に問う職種の人々にも役立つ。通常、ソフトウェア開発におけるタスク単位の内容は開発者向けの言葉で書かれていることが多いが、製品を作る側の開発者と製品を使う側のユーザをつなぐ役割を果たす人間にとっては、タスク単位の情報を蓄積し、それらをつなぎあわせることで、製品に対する理解度を高められるのである。 タスクかんばんは、今の状況を見える化できる一方、順調に推移しているのかどうかといった今後を予測する見方はできない。そこで、時間に対しての進捗状況を視覚化するバーンダウンチャートを利用する。 |
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