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| 製造業における品質管理の現状 | ||||||||||||||
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数年前に発覚した自動車メーカーのリコール隠しは、まだ記憶に新しいだろう。この事件は自動車メーカーが数年にわたるリコール隠しに加え、多重の虚偽報告をしたことにより、企業の信頼性を大きく損ねると同時に、製造業における企業の責任を痛感させるという意味で日本国内に大きな影響を与えた。 製品やサービスの品質が製造業における企業経営にとって大きなウェイトを占めていることはもはやいうまでもない。ずさんな品質管理が原因で不祥事を起こした企業は、社会的信用を失い存続の危機に陥いることになる。 しかしながら近年数々のリコール問題が継続的に発生し、増加してきている。その背景としては大きく次の3点があげられる。
表1:リコール問題増加の原因 こうした背景の中、今回は品質に関わる業務の現場で起こっている情報活用に関する問題点とEMIソリューションの「見える化」「見せる化」による解決策の例を提示する。 |
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| 品質問題/リコールの初期段階(障害対応)で起こる情報活用の問題 | ||||||||||||||
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リコールの初期段階は障害対応である。大量に同様の障害が発生してはじめてリコールになるわけであり、リコールになる以前の障害への対応の迅速化は企業の生命線の1つになっている。 ここでは障害対応の現場で起こっている情報活用の問題を具体的に例示する。図1に示したのは、ある製造業での障害対応の流れである。 ![]() 図1:ある製造業における障害対応プロセス まず、製品のユーザから障害内容についての問い合わせが、1次障害窓口の受付担当者に入る。受付担当者は同一製品における同様のトラブルの発生の有無を社内の障害情報データベースを検索し確認する。過去に同様の問題の情報があれば、データベースに記載されている対応方法をユーザもしくは社内の技術員に知らせ、障害解決にあたる。 過去に同様の問題が発生していない場合、製品サポート部門にエスカレーションし原因究明にあたる。原因究明は製品サポート部門に加え、品質・設計・開発・生産に携わる担当者たちが対策チームを形成して行う。 対策チームはまず障害が発生した製品と製品を構成するユニットや部品が何かを調べる必要がある。製品はシリアルナンバーから特定でき、構成部品は製品の設計書からたどることができるため簡単に判明する。問題になるのはこれ以降の調査だ。 製品を構成する個々の部品表(BOM:Bill of Materials。「ボム」と呼ばれる)は様々なファイル形式(PDF、Word、Excelなど)で複数のシステムや場所に保管されいる。この状態で原因究明のためにすべての情報を収集しようとすると、多大な労力を要することになる。 このIT全盛のご時世にこのような状態の企業が存在するのかと思う方も多いだろう。しかし、たいていの企業はこの例のように必要な情報がすぐに見えず、情報収集に非常に苦労しているのだ。 |
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