第6回:「見える化」「見せる化」のための課題 〜セキュリティアプライアンス (1/3)

Enterprise Materialized Information
意思決定の迅速化!見える化・見せる化ソリューション

第6回:「見える化」「見せる化」のための課題 〜セキュリティアプライアンス

著者:日本アイ・ビー・エム  藤 泉也   2007/4/5
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情報共有の裏にはびこる情報漏洩

   これまで5回の連載を通して、複雑化・多様化する企業内の情報を仮想統合するのに有効なアプローチの1つであるEMIソリューションを紹介してきた。活用シーンとして、営業オペレーション改善、製造業における品質・障害管理、人材およびスキル管理、コンタクトセンターのパフォーマンス管理といったトピックをあげながら、その有効性を説明した。

   その中で、ビジネスインテリジェンス(BI)によるビジネスパフォーマンスの可視化やグループウェアによるコンテンツ共有といった従来のアーキテクチャやスキームでは、企業内の情報の一部しか可視化できていないという事実があった。図1にもあるように、業務活動を支援する情報には形式化され構造化されたもの以外にも様々ものがある。
企業内情報における様々なデータ群
図1:企業内情報における様々なデータ群
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   精度の高い業務支援を行うためには、構造化データのみならず非構造化データ、さらに形式化されていない暗黙的なデータ(暗黙知)の可視化を行うことが求められていくであろう。これらを物理的に統合するには投資コストや体制作りの面で限界があるため、EMIソリューションでは仮想統合のアプローチを取っている。

   これにより、高コストの情報系インフラを整えることなく、リアルタイムに情報の存在を浮き彫りにすることができる。しかし、より多くのユーザが情報を共有できるようになってくると解決しなければならない重要な課題が見えてくる。それがセキュリティの問題だ。

   顧客や従業員はもちろんのこと、取り引き先や提携先、グループ企業を含む関連会社に帰属する情報群の取り扱いには漏洩や不正利用を防ぐ施策が必須となる。情報の「見える化」「見せる化」が部門内、部門間、企業内、企業間と広範囲に行われるようになればなるほどこの課題は深刻なものとなり、リスクとして顕在化していくのである。

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日本アイ・ビー・エム株式会社  藤 泉也
著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社  藤 泉也
1999年、日本アイ・ビー・エムに入社。損害保険会社のシステムインテグレーション、ERPソリューションのセールス・テクニカルサポート担当を経て、2005年からビジネスインテリジェンス、情報共有基盤に関するソリューション提案と技術支援を推進している。活動を通じて企業内情報の「メタボリック症候群」が確実に進行していることを実感。経営イノベーション グローバルISVソリューションズ所属。


INDEX
第6回:「見える化」「見せる化」のための課題 〜セキュリティアプライアンス
情報共有の裏にはびこる情報漏洩
  仮想統合を支えるID管理ソリューション
  連載終了にあたって
意思決定の迅速化!見える化・見せる化ソリューション
第1回 すべての人のための情報活用基盤構築の3原則
第2回 重要な情報はどこにある?効率的なデータ活用で「できる営業」に!
第3回 品質管理は製造業のアキレス腱!情報活用で迅速化・効率化を目指す
第4回 必要な人材はどこにいる?企業のコンピテンス管理と人材の検索
第5回 コンタクトセンターで何が起きている?顧客満足度を高めるコンタクトセンター
第6回 「見える化」「見せる化」のための課題 〜セキュリティアプライアンス

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