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| PHPによるシステム開発コストは安いのか | ||||||||||
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「第1回:『PHPのすすめ』をいうときが来た」では、オープンソースソフトウェア(以下、OSS)を活用するためにPHP技術が必須であることについて解説しました。今回は、OSSを使うかどうかは別として、システム開発をPHPで行う際のコストと問題点について考えてみます。 かつて、社内システムといえばクライアントサーバ型のシステムとして構築するのが一般的でした。それが現在では、Webブラウザを使ったWebシステムとして構築するのが普通となっています。このような社内向けのシステムをインターネット技術を使って構築したものは「イントラネット」と呼ばれています。 Webシステムを開発する場合、従来はJavaが主流でしたが、現在はPHPが主流になりつつあるという点については前回に解説した通りです。 また、これも前回の復習になってしまいますが、PHPによる開発が増えている理由として、技術者の育成期間が短くて済むという「立ち上がりが早い」点が1番にあげられるでしょう。 新人技術者を早く現場へ出したいというのはどの企業でも同じです。さらに「教育に時間とお金はかけたくない」という企業の本音があるのかもしれません。 |
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| システム開発をアムダールの法則で考える | ||||||||||
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ところで、コンピュータの高速化に関する理論の1つである「アムダールの法則」をご存じでしょうか。簡単にいえば「コンピュータの一部の性能を飛躍的に高めたとしても、それが全体に占める割合が少なければ、全体の性能向上はあまり望めない」というものです。これはITに関わっている方ならば、直感的に納得できると思います。 例えば全体の1割に相当する部分で100倍の性能向上があったとしても、全体では1割弱にしかなりません。全体の大きな部分を占める部分を改善しなければ、あまり意味がないというわけです。ただし、1割の性能向上が無意味だといっているわけではありません。 同じことがシステム開発についてもいえると思います。システム開発は要件定義から設計、開発、テスト、運用開始、さらには保守まで、様々な工程を含んでいます。開発現場を評価する際にプログラムの製造工程がクローズアップされますが、様々な工程とそれを実施するための能力を備えた人々の必要性も理解しておく必要があるでしょう。 この開発工程にアムダールの法則を当てはめると、次のようにいうことができます。
プログラミング工程の性能(生産性)を100倍にできたとしても、その工程が全体の1割しか占めないとすれば、全体では1割弱の性能(生産性)向上にしかならない。
さらに、上記の文章の「性能(生産性)」は「コスト」に置き換えることもできます。 もちろんコストを1割削減することは、無視できない重要なポイントです。プログラミング工程がシステム開発工程に占める割合が1割というのは稀なケースです。 過去の統計により、一般的なシステム開発において、全体に対するプログラム製造工程の比率の平均は2割から3割程度といわれています。このことから、プログラム製造工程を100倍の生産性にすることができれば、全体では2割から3割近いコスト削減につながることになります。 しかしながら、プログラムの生産性を100倍にするというのは、PHPがどれほど習得しやすいとしても考えにくいことです。若手を早く即戦力とすることができる、という意味でコスト低減をはかることは可能ですが、システム開発全体の生産性そのものを飛躍的に高めることはあまり期待できそうにありません。 |
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