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Javaアプリケーションサーバのクラスタリング機能比較
Javaアプリケーションサーバのクラスタリング機能比較

第7回:Javaアプリケーションサーバのパフォーマンス比較
著者:サンモアテック  小林 俊哉   2005/12/5
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はじめに

   これまでTomcat、JBoss、WebLogicの3製品のクラスタリング機能について解説してきました。今回はこの3製品のHTTPセッションレプリケーションのパフォーマンス比較を行います。
テスト環境

   比較対象となる3つのアプリケーションサーバでクラスタ環境を構築し、Webアプリケーションをデプロイします。アプリケーションはHTTPセッションレプリケーションを行うように設定しておきます。そして負荷テストを行い、各アプリケーションサーバの性能を比較していきます。

   テスト用アプリケーションはシンプルなサーブレットです。リクエストを受け付けるとHTTPセッションのsetAttributeメソッドを呼び出し、HTTPセッションに任意のサイズのオブジェクトを格納した上で、クライアントにレスポンスを返します。

   クラスタ環境は3台のサーバを用い、そのうち2台でアプリケーションサーバのクラスタを構築し、もう1台がロードバランサとなります。ロードバランサはApacheで、Tomcat/JBoss用にはmod_jk、WebLogic用にはmod_wlを用いて負荷分散を行います。WebLogicの場合、クラスタノードのほかに管理サーバのインスタンスが必要になりますが、管理サーバのインスタンスはクラスタ用サーバの片方に同居させます(注1)。

※注1: 構成としては不均衡になってしまいますが、ほかの製品と平等に「2台のサーバでクラスタを構成」という条件を満たすためにこのようになりました。

クラスタ環境(Tomcat)
図1:クラスタ環境(Tomcat)

クラスタ環境(JBoss)
図2:クラスタ環境(JBoss)

クラスタ環境(WebLogic)
図3:クラスタ環境(WebLogic)

   レプリケーションの設定は「同期(注2)」「ATTRIBUTE単位」で、「setAttributeが呼ばれたオブジェクトのみレプリケーションを実行」とします。よって、各アプリケーションサーバの設定は以下のようになります。

※注2: 「同期」とは「レプリケーションを実行した後にクライアントにレスポンスを返す」という方式です。WebLogicはこの方式で、かつ非同期に切り替えるオプションを持たないため、今回の検証では同期方式で比較を行います。
アプリケーション 設定する値
WebLogic デフォルト
Tomcat useDirtyFlag:true
replicationMode:pooled
JBoss replication-trigger:SET
replication-granularity:ATTRIBUTE
CacheMode:REPL_SYNC

表1:アプリケーションサーバの設定

   設定方法の詳細は本連載の第1回(Tomcat)、第3回(JBoss)を参照してください。

   アプリケーションへのアクセスにはJMeterを用い、ユーザ数を1から200まで増やしてレスポンスタイムとスループットを測定しました。アクセス間隔は500msとしています。

   テストを行うハードウェアのスペックは以下のようになります(3台とも同じです)。

  • CPU:Intel Xeon 2.8GHz
  • メモリ:2GB

表2:ハードウェアのスペック

   テストを行うソフトウェアのバージョンは以下のようになります。

  • Red Hat Enterprise Linux ES 2.1
  • Tomcat 5.0.28
  • JBoss 4.0.3SP1
  • WebLogic 8.1SP4

表3:ソフトウェアのバージョン(クラスタサーバ2台)

   各アプリケーションサーバはSun MicrosystemsのJDK 1.4.2で動作します。

ロードバランサ
  • RedHat Enterprise Linux ES 2.1
  • Apache 2.0.54(prefork)
  • mod_jk 1.2.15
  • mod_wl_20(WebLogic 8.1SP4に同梱)
テストクライアント
  • JMeter 2.1.1

表4:ロードバランサとテストクライアント


チューニング

   各アプリケーションサーバを実行するJavaのヒープサイズを1024MBとしました(-Xms1024m -Xmx1024m)。アプリケーションを動作させるスレッド数は、WebLogicではプロダクションモードのデフォルトである25としています。

   一方Tomcat/JBossとApacheを連携するmod_jkは、Apacheからの接続を維持しつづけるアーキテクチャを前提としていますので、同時接続数にあわせてserver.xmlのmaxThreads属性をチューニングする必要があります。今回は同時にApacheから接続し得る最大数である200としました。

※注3: このテストは特定ベンダーなどにスポンサリングされていない、独立なベンチマークです
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株式会社サンモアテック 小林 俊哉
著者プロフィール
株式会社サンモアテック  小林 俊哉
株式会社サンモアテック 技術開発事業部
2001年入社。NOMAD(4GL言語)開発にはじまり、Webサービス、グリッドなどの新技術検証、またJBossやTomcatを含むオープンソース製品のサポートに従事。


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INDEX
第7回:Javaアプリケーションサーバのパフォーマンス比較
はじめに
  テスト結果
  同期と非同期
  JBossの場合
徹底比較!!APサーバ
第1回 Tomcatによるクラスタリングの実現
第2回 Tomcatのクラスタ設定
第3回 JBossによるクラスタリングの実現
第4回 JBossのクラスタ設定
第5回 WebLogic Serverで実現するクラスタリング
第6回 WebLogic Serverが提供するクラスタ機能
第7回 Javaアプリケーションサーバのパフォーマンス比較
第8回 Javaアプリケーションサーバのクラスタ機能比較
第9回 JBossクラスタのチューニング