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株式会社日立製作所
株式会社日立製作所

ITアーキテクトが介在する溝を開発支援するモデルマッピング、日立製作所がHITACHI Open Middleware World 2006 Summerを開催

2006/7/11
MDAによる開発アプローチ

   7月5日、日立製作所は同社が展開するミドルウェアを紹介するHITACHI Open Middleware World 2006 Summerを開催した。ここで開催されたSOAセッションにおいて、株式会社日立製作所 ソフトウェア事業部部長である桐越信一氏は「SOA実現のためのコンポーネントデータベースモデリングの実際」という講演を行った。

日立製作所 桐越信一氏
図1:日立製作所 桐越信一氏

   「SOAを実現するにあたってはコンポーネントベースモデリングが必要であり、日立製作所はMDA(Model-Driven Architecture)によりそれを実現しました」と、桐越氏は述べた。SOAを実現するのにはアプリケーションレベルだけではなく、業務レベルをもコンポーネント化する必要があるとのこと。


ITアーキテクトのモデルマッピングの特長

   MDAとは分析モデルと設計モデルを分離し、それぞれを独立したモデルで定義して、プラットフォーム決定時に業務モデルを設計モデルにマッピングする開発体系である。

   「例えば、現在多くのシステムで採用されているJavaが使われなくなれば、一からコンポーネントベースモデリングをやりなおす必要があります。しかし、こういった場合でもMDAによる開発アプローチを用いていれば分析モデルを再利用できるのです」と、桐越氏はMDAによる開発アプローチの重要性を強調した。

   設計モデルは特定の実装技術やプラットフォームに依存した技術であり、分析モデルとともに定義した場合は通常無駄になってしまう。

モデルマッピングの例
図2:モデルマッピングの例

   マッピングツールを使用することによって、分析モデルの定義が実装技術やプラットフォームの変化によって無駄になることもなくなる。またクラス図をソースコードとマッピングすることにより、ITアーキテクトが担当する部分を担うことが可能となるそうだ。

   日立製作所はMDAによるコンポーネントベースモデリングによって、ビジネスプロセスに対する独自のノウハウを培ってきたと思われる。このノウハウは、業務をSOA化する上で大きく役立っていることだろう。今後も日立制作所独自のノウハウがどのようにSOAに結びついて昇華していくのかを期待したい。