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マイクロソフト株式会社 |
VSUGアカデミースペシャル:マイクロソフト、ASP.NETによるAJAXアプリケーション構築手法を紹介 2007/1/22
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ASP.NET AJAX 1.0、いよいよ近日公開
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マイクロソフトは1月19日、VSUGアカデミースペシャルにて「ASP.NET AJAX 1.0登場」と題したセミナーを開催した。VSUGアカデミースペシャルとは、Visual Studioのユーザ間の情報交換を行うコミュニティ「Visual Studio User Group」が開催するイベントセミナーである。今回は、近日公開予定のASP.NET AJAX 1.0が紹介された。
まず同社 デベロッパー製品部 エグゼクティブプロダクトマーケティングマネージャの鈴木 祐巳氏が製品の紹介を行った。
図1:デベロッパー製品部 エグゼクティブプロダクトマーケティングマネージャ 鈴木 祐巳氏
鈴木氏は「ユーザが操作している間に更新する非同期プログラミングを実現するAjaxにより、ユーザの生産性とアプリケーションの見栄えは飛躍的に向上した」と述べる。しかしその一方でAjaxアプリケーションを開発する側の問題点として、JavaScriptやDHTMLの経験が必要なこと、デザインパターンや開発パターンが確立されていないための原始的な開発を行わざるを得ないこと、優れたツールがないことなどを指摘し「Ajaxアプリケーションは『使って天国、作って地獄』というイメージが先行するようになった」という。
ASP.NET AJAXは「いかに簡単にAjaxアプリケーションを作るかに着目して作られたインタラクティブなフレームワークだ」と鈴木氏は述べる。「まずスクリプトコンポーネントモデルやUIフレームワークを充実させ、プログラムを書く作業を減らし高生産性のプラットフォームを実現した」という。その他にも「DHTMLやJavaScript、CSSなどの標準技術を活用しているだけでなく、ASP.NETとIISに完全に統合することで、ASP.NETのコントロールやサービスを簡単に利用できるようにしている」と紹介した。
ASP.NET AJAX 1.0は以下のものから構成されている。
- Microsoft AJAX Library
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- クライアントサイドJvaScript
- WebブラウザおよびWebサーバに依存しない
- シェアードソース(Micrsoft Permissive License)として提供
- ASP.NET 2.0 AJAX Extensions
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- サーバサイド側モジュールでASP.NET 2.0へ統合可能
- コントロールとして提供
- シェアードソース(Micrsoft Reference License)として提供
- ASP.NET AJAX Control Toolkit
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- Microsoft AJAX LibraryおよびASP.NET 2.0 AJAX Extensionsを応用
- ASP.NET 2.0 AJAX Extensionsの拡張コントロールを定期的に提供
表1:ASP.NET AJAX 1.0の構成
なお「ASP.NET AJAXは『サーバ中心Ajax開発』と『クライアント中心Ajax開発』の両方のシナリオをサポートする」と鈴木氏は述べる。
UIとロジックをサーバで実行するモデル「サーバ中心Ajax開発」では、ASP.NETの開発方式を用い、VBやC#だけで開発できるため多くのスクリプトを記述せずにアプリケーションを開発できるという。UIに関するアプリケーションロジックはサーバ側が保持する。
図2:サーバ中心Ajax開発(UIとロジックはサーバで実行)
UIはクライアント、ロジックはサーバで実行するモデルの「クライアント中心Ajax開発」では、JavaScriptやDHTMLを最大限に活用した開発方式で、Webアプリケーションとして優れたUIを提供することが可能だという。マッシュアップやWindowsLiveガジェットにも対応し、最新のWebアプリケーションスタイルを実現する。
図3:クライアント中心Ajax開発(UIはクライアントで実行、ロジックはサーバで実行)
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デモンストレーション
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次にIT技術者アドバンステクノロジー本部デベロッパーエバンジャリスト 大野元久氏よるデモンストレーションが行われた。今回は「サーバ中心Ajax開発」を中心にデモンストレーションが行われた。
図4:IT技術者アドバンステクノロジー本部デベロッパーエバンジャリスト 大野元久氏
鈴木氏は、HTMLの部分的な更新を実現するコンポーネントである「UpdatePanel」やタイマーコントロールを行う「Timer」、更新中のみイメージを表示する「UpdateProgress」などを利用した簡単なAjax開発のデモンストレーションを行った。
例えば、ASP.NETで作成したテキストボックスをUpdatePanelの中に配置するだけで、Ajaxアプリケーションが構築でき、ユーザがWebブラウザから文字を入力して更新ボタンをクリックした際、画面の再読み込みにより起こるちらつきがないまま更新が行える。クライアント側はロジックをJavaScriptで吸収して表示するため、Webブラウザによる表示の違いなどは避けられるという。
鈴木氏は「Ajaxのために新しい仕組みを使うのではなく、ASP.NETの仕組みを使うことで効率的な開発を実現した。今までの方式を踏襲してAjaxアプリケーションを作れることは大きなメリットだ」と強調する。
図5:豊富なコンポーネントが用意されているASP.NET AJAX
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今後について
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ASP.NET AJAXは、近日中にASP.NET 2.0にパッケージ化して提供されることになり、Visual Studio 2005およびVisual Web Developer 2005の統合開発環境でAjax開発をサポート(同社による有償サポート)するという。将来的にVisual Studio Orcasおよび.NET Framework 3.5ではASP.NETの一部として実装されることになる。
またASP.NET AJAX 1.0は、ASP.NETを使ったAjax開発を行うためのツールパッケージで、近日中に同社のWebサイトより無償でダウンロードできるようになる予定。
なお、同社ではWeb開発の技術情報やテクノロジーをニーズに応じて提供することを目的に技術取得を包括的に支援するWebサイト「.NET開発者への道〜Web開発編」を2月1日より公開する予定だ。
図6:2月1日よりオープンする「.NET開発者への道〜Web開発編」概要
また、1月31日にはVSUGコミュニティメンバー向けのプレセミナーとして、ASP.NET AJAXをLiveMeetingにて紹介するイベントが開催される。興味のある方はぜひ参加して欲しい。
(ThinkIT編集局 千本松 歩)
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