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日本ヒューレット・パッカード株式会社
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日本ヒューレットパッカードが2007年度のストレージ・サーバ事業戦略を発表

2007/1/26
2006年はリーディングベンダーになり、2007年は中小企業にも注力

   日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は1月25日、「2007年 日本HPサーバ&ストレージ事業 新春戦略発表会」を開催し、同社のエンタープライズストレージ/サーバ事業における2006年度の業績および2007年度の戦略について発表した。

   まず同社の執行役員であり、エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 統括本部長の松本 芳武氏が、2006年のストレージ/サーバ分野での世界的な成長率および国内市場での伸びについて語った。松本氏は「ワールドワイドでは対前年比で6%の成長を遂げ、ITベンダー世界1位となりました。サーバ&ストレージ分野では、UNIXサーバでの首位キープやその他の製品でも高いレベルにあり、2006年はリーディングベンダーになった年だと考えています」と同分野での存在感が増した点についてアピールした。

エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 統括本部長 松本 芳武氏
エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 統括本部長
松本 芳武氏

   さらに、合併前のベンダーの技術を投入した「BladeSystem c-Class」とItaniumのアーキテクチャを搭載したIntegrityサーバへの移行、ミッドレンジへのストレージの普及など、同社が取り組んでいる事業について述べ、それぞれが好調であり今後成長が期待できると語った。また、今注目されている電源冷却やエコについても資源利用の面でも注力していくという。

   「ワールドワイドだけでなく、日本市場でももっとも信頼されるテクノロジリーダーとして認められるような企業でありたい」と語り、2007年はこれまでのビジネスに加え、さらに中堅中小企業向けの分野にも注力していくと締めくくった。

   続いてインダストリー スタンダード サーバ製品本部 本部長の上原 宏氏がProLiantサーバ事業に関する取り組みについて「x86サーバは非常に認知が高まり、これまで以上にシステム導入が進むと考えています。特に従来はハイパフォーマンスとコストによって二極化されていたものからニーズの多様化が進んでいます。戦略とサポライチェーンを両輪として動かしていきたい」と述べた。

インダストリー スタンダード サーバ製品本部 本部長 上原 宏氏
インダストリー スタンダード サーバ製品本部 本部長
上原 宏氏

   昭島工場における品質の高い製品の提供や販売代理店との更なるリレーションシップの強化といった方策を述べ、さらに中堅中小企業向けの販売体制強化など、ニーズに応える製品展開を行うと語った。またBladeSystem c-Classも紹介し、今後はI/Oの仮想化を含めた第3世代のBladeサーバとして力を入れていくとのことだ。

   NonStopサーバ製品本部 本部長の浅野 勉氏は、HP NonStopサーバ事業について「現在ディザスタリカバリをはじめとしたビジネスの継続性や、日本版SOX法に代表されるデータの保護・管理の面で、2桁成長を続けています。NonStopサーバ全体ではItaniumサーバが70%を占め、ハイエンドサーバが必要がミッションクリティカルな大規模データベース分野で導入が進んでいます。ブレードサーバやHP-UX、オープン系のソリューションを連携するミドルウェアの開発を行い、2007年の後半にはマルチコア対応のIntegrity NonStopサーバの提供やI/O関係製品の強化を行っていきます」と述べた。

NonStopサーバ製品本部 本部長 浅野 勉氏
NonStopサーバ製品本部 本部長
浅野 勉氏

   ストレージ・ワークス製品本部 本部長の富岡 徹郎氏は、まず「2006年度は台数ベースのディスクトレージ市場と容量ベースのSAN市場において1位のシェアを獲得しており、成長エンジンとなっています。2007年度はこのストレージ分野にフォーカスして、新たなHPの強みとして活かしていきたい」と語った。

ストレージ・ワークス製品本部 本部長 富岡 徹郎氏
ストレージ・ワークス製品本部 本部長
富岡 徹郎氏

   富岡氏は災害対策システムについてカルビーのディザスタリカバリシステムの事例をあげ、ソリューション提案による差別化などを行っていくと語った。さらに、販売拡充へ向けた戦略として選任チームによる販売体制の強化や検証施設「PTAC」の拡充・トレーニングの強化、さらにSMB市場を開拓する新製品の投入を目指しているとのこと。

   最後に、ビジネスクリティカルサーバ製品本部 本部長の榎本 敏之氏がIntegrityサーバ事業について「現在、新規導入の80%がIntegrityサーバへの移行を完了し、業界標準のアーキテクチャへとなっています。今後はさらにテクノロジのモジュラー化/標準化し、ProLiantやBladeサーバなどx86サーバと統合した環境を実現できるように進化していきます」と語った。

ビジネスクリティカルサーバ製品本部 本部長 榎本 敏之氏
ビジネスクリティカルサーバ製品本部 本部長
榎本 敏之氏

   これを受け、ハイエンドサーバ分野ではより高い信頼性や仮想化によるリソースの有効活用などを強化していくという。またHP-UXのHA機能を強化した新バージョンの発表も予定しているという。ブレードサーバ分野では今年は本格的な対応を行い、次のステップのアーキテクチャを具現化したものを市場投入していく。さらにエントリサーバ分野では中小規模のシステムへの導入を推進するとのことだ。

   現在日本HPは合併などによる技術力強化が著しく、それらを最大限に活かした製品を市場に投入している。ハイエンドだけでなく中堅中小企業にも力を入れており、2007年のビジネス分野において、大きな存在感を発揮するだろう。

問い合わせ先
日本ヒューレット・パッカード
http://www.hp.com/jp/

(ThinkIT編集局  神保 暢雄)