SMB市場におけるSCMの導入実態
SCM導入プロジェクトを成功させるために
SMBにおけるSCMについて、全体的にネガティブな解説になってしまったが、最後にSCMがSMBに浸透するにはどうしたらいいか考察する。そのポイントを次の3点に集約する。
SMBユーザにわかりやすいようなSCMに関する導入事例を用意する
まず、SCMベンダーとしてはSMBユーザへのSCMソリューションの導入実績を積み重ねることが急務となる。現在のところ、SMB向けでSCMの導入事例を多く持つベンダーはいない。
そのためには、SMBユーザに対して「SCMソリューションを採用することで、何がどのように実現するのか」という具体的なイメージを持たせる必要 がある。Webサイト上に情報を開示するだけではなく、規模の大きなイベントなどで大々的に宣伝できれば、より多くの効果を得られるであろう。
商談が持ち上がった際、大切にすべきはコンサルティング
SCMソリューション導入の検討段階に入ったSMBユーザに対し、ベンダーは徹底的にコンサルティング(ヒアリング)を実施し、各社異なる問題を洗いざらい浮き彫りにし、表2のどれを優先して提案すべきかを検討しなければならない。
- SCPを活用した需要予測
- 円滑な物流管理や倉庫管理
- POSシステムで実績データを取得することによる、販売先との協力関係の構築
- 原材料や資材を購買する取引先との情報共有
導入が完了するまで経営者を中心にプロジェクトチームで議論する
コンサルティングの上での提案を受けたSMBユーザとしても、プロジェクトチームを作るなどしてメンバー間での認識の統一をはかる必要がある。それ を怠った場合、ソリューション導入までの期間が長期化したり、コンサルティング費用が無駄にかさんだりする可能性がある。
せっかく導入したソリューションにもかかわらず、うまく機能しなくなければ本末転倒である。スムーズなソリューション導入と運用のためにも、導入前 から導入後のビジョンをベンダーとユーザ企業側で統一しておく必要がある。経営者が企画段階から積極的に参画すべきである。
次回は
次回はSMBにおけるCRM(Customer Relationship Management)の実態を見ていく。その際、SFA(Sales Force Automation)やCTI(Computer Telephony Integration)をCRMのカテゴリに含めて紹介していく。
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