NEC、ビックデータ処理の高速化を実現するハードウェアを短期間で設計できる技術を開発
NECは8月31日、ビックデータのリアルタイム分析処理を高速化するハードウェアを、専門知識がない人でも簡単、高速に設計できる技術を開発したと発表した。
ビックデータの処理は、専用のハードウェアを用いることで、ソフトウェア処理と比較して10~50倍程度の高速化が見込める。しかし、ハードウェアの開発や実装に数ヶ月程度の長い期間が必要である、運用中に処理内容の変更ができないなど、柔軟性に課題がある。
今回NECが開発した技術は、データ分析担当者がオープンインターフェースであるプログラミング言語「SQL」で必要な分析処理の内容を入力するだけで、簡単に専用の高速化ハードウェアを設計できる。これにより、従来は数ヶ月間必要だったハードウェアの開発期間を数時間と約1/50に短縮できる。処理内容の書き換えを、従来の数ミリ秒から数ナノ秒と約1/1000に短縮し、システムを停止することなく、ダイナミックな運用が可能となる。
開発した技術の特長は、以下の通り。
SQLによるハードウェアの設計を実現し、設計期間を約1/50に短縮
ビックデータの分析処理で広く利用されているSQLで設計したソフトウェアを、NECが保有するFPGA(Field Programmable Gate Array)の回路合成技術CyberWorkBench(サイバーワークベンチ)を利用して、専用ハードウェアに自動変換する設計技術を開発。これによりデータ分析担当者は、使い慣れたSQLでFPGAを直接設計可能となり、技術者による回路設計作業が不要となることで、開発期間を数ヶ月から数時間へと約1/50程度に短縮。
システム無停止で、処理内容をダイナミックに変更可能
データの処理内容を切り替える際に、旧処理と新処理の回路を並列で動作しながら、瞬時に切り替えるハードウェア処理機構を開発。従来は、旧処理の回路を新処理の回路に再構成してから切り替えていたため発生していた処理の停止時間を、数ミリ秒から数ナノ秒へと約1/100万に短縮し、運用中のシステムを停止することなく、処理のダイナミックな修正や変更を実現。
NECでは今後も研究開発を進め、2014年度までにハードウェアを活用したビッグデータのリアルタイム処理ソリューションとしての提供を目指すという。
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