ミドルウェア、アプリケーションソフトウェアのLinux対応
第4回ではサーバ、第5回ではディストリビューション(OS)について述べてきた。しかし、それだけでは情報システムとしての役割を果たすことはできない。サーバとOSの上で稼動するソフトウェアがないと何も始まらない。
Linuxに対する問題としてよく言われていたのは、Linuxに対応するソフトウェアが少ないということである。今後のLinuxの普及を考えた ときに、ソフトウェアがどのくらいLinuxに対応していくかが少なからず影響していく。そこで第6回目となる今回は、ソフトウェアのLinux対応状況 と、ソフトウェアベンダーのLinux対応への取り組みについて述べる。
主要ソフトウェアのLinux対応状況
矢野経済研究所では、DBMSやアプリケーションサーバ、EAI/EDI、運用管理など企業の 情報システムを構築する際の基盤となるミドルウェア、さらにバックオフィス業務を担うERPや業務パッケージを対象とし、各製品の Windows(Windows NT Server、Windows 2000 Server、Windows Server 2003)、UNIX(Solaris、AIX、HP-UX)、Linuxについて調査を行った。
その結果を表1、図1に示す。対象とした製品は主要ソフトウェア548製品を対象としている。
| Windows | UNIX | Linux | 計 | |
| DBMS | 13 | 10 | 12 | 13 |
| アプリケーションサーバ | 24 | 22 | 22 | 27 |
| EAI/EDI | 38 | 29 | 21 | 42 |
| 運用管理 | 78 | 51 | 54 | 106 |
| ERP・業務パッケージ | 341 | 98 | 99 | 360 |
| 合計 | 494 | 210 | 208 | 548 |

図1:OS別対応率