基幹系業務ソフトウェアでの対応に難あり
基幹系業務ソフトウェアでの対応に難あり
DBMSはもともとの製品数が少ないこともあるが、Windowsと変わらずLinuxもほとんど対応している。また、アプリケーションサーバにつ いても同様な状況である。EAI/EDIや運用管理になるとWindowsとの差は出てしまうが、それでも50%は対応している。これらのミドルウェア群 においては、Linuxへの対応が整備されつつあり、Windowsとも対等に渡り合えるような状況になりつつある。
しかし、ERPや業務パッケージなど直接企業の業務に関わってくるソフトウェアになると対応率は30%以下になってしまう。これらのソフトウェアに も様々なものがある。外資系ベンダーのERPではほとんどがLinuxに対応しているが、国内ベンダーのERPや業務パッケージはほとんど対応していな い。国内ベンダーは中堅・中小企業向けとしたWindowsオンリーの業務パッケージが多い。Windows対応しかしていない国内ERPベンダーでは、 今後もLinuxへの対応は考えていないという意見が非常に多かった。
図を見てもわかるように、LinuxはUNIXと対応率ではほぼ同じである。この結果から、UNIXとは同じ土俵に上がっていると言うことができ る。しかし、Windowsに比べるとLinuxはまだまだ少ない。ミドルウェア群は近づきつつあるが、業務パッケージでは大きな差がある。
ただ、ミドルウェアでの対応が図られたことで、その上のレイヤーである業務パッケージでの対応も増えていくのではないかと考えられる。大手の国内ERPベンダーではLinuxでの導入事例が出ており、そうした事例が今後も増えていくのではないだろうか。
各ベンダーのLinux対応動向
ここでは大手ソフトウェアベンダーのLinux対応動向について紹介していく。どのベン ダーにおいてもLinux対応はしているものの、全体に占める割合としてはわずかであるという状況のようである。ただユーザ側からもLinuxへのニーズ が高まりつつあるという実感はベンダーでも持っており、対応とサポートはしっかり行っていくという姿勢を見せている。
Linuxを強力に推進するオラクル
「Oracle on Linux」、「Unbreakable Linux」などLinuxに関するキャッチコピーを次々に打ち出していることで知られているオラクルは、LinuxをスタンダードOSに押し上げるべく 全世界で強力に推進しており、Oracle Databaseを中心にERP、アプリケーションサーバなどほとんどの製品で対応している。
- Oracle Database 10g
- Real Application Custers 10g
- Oracle Application Server 10g
- Oracle Collaboration Suite 10g
- Oracle Developer Suite 10g
- JDeveloper 10g
- Oracle E-Business Suite
オラクルではソフトウェアの開発環境をLinuxに全面的に移行していく方針で、E-Business Suiteは移行を完了し、Databaseも2004年内に移行を完了する予定である。その他、基幹系業務システムなど自社のシステムについても大部分 でLinuxを採用し、自社システムを使ってLinuxの検証を行っている。また、世界で6,000人のLinux技術者を要し、コードレベルまでのサ ポートを実現している。
また、Linuxのリーダーを目指すオラクルは、Linuxビジネスの普及促進や技術者の育成を目的とし、「Unbreakable Linux パートナー協議会」を2003年6月から立ち上げた。主要サーバベンダーやディストリビューションベンダー、システムインテグレータが参加し、Linux 推進のための支援や情報交換を行っている。