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RSA V8にみる最新UMLモデリング

2010年9月28日(火)
黒川 敦

UMLモデリングへの期待

UML(Unified Modeling Language)がOMGで採用されたのが1997年ですので、UMLが生まれて約13年になりました。JavaやC++、C#などのオブジェクト指向開発言語が普及したこともあり、お客様先を訪問すると、「設計をUMLで行いたいのだけど・・・」と積極的にUMLモデリングに取り組む企業が増えてきたように思います。

“なぜUMLモデルを利用するのか?”たくさんの意見があると思いますが、筆者は最近以下のように答えます。

  • ソースコードよりも高い抽象度での理解により、属人性を軽減する
  • モデルとソースコードのトレーサビリティーをとり、変更の影響範囲を特定する
  • モデルからソースコードの自動生成にとり、品質と生産性を上げる

まさしくUMLを利用した「モデル駆動型開発(以下MDD)」の考え方そのものです。組み込み開発の分野ではツールの進化や企業の取り組みにより、アルプス電気株式会社のような先進的なMDD事例が出てきてはいますが、企業システムのIT分野ではなかなか具体的事例が出てきていないと感じるのは私だけでしょうか。

その理由として、多くの外部システム(例えばメインフレーム)と連携する必要があることや、モジュールの配置先が多岐にわたり複雑であることがあげられます。また、ビジネス・モデルといった上流設計のモデル化や、インフラストラクチャーのモデリングをする仕様やツールが発展途上だったということもあるでしょう。

RSA V8:10万円台からのUMLモデリング統合開発環境

Rationalというと、Rational Roseというモデリングツールを思い浮かべる方もいると思います(それよりもRUP:Rational Unified Processの方が多いでしょうか?)。今でもRoseは継続して販売していますが、2005年以降IBM Rationalでは、次世代のUMLモデリング統合開発環境として、Eclipseをベースとした製品をリリースしています。詳細は、こちらをご参照ください。

今年の8月に最新のV8が出荷されました。今までは機能により何種類かの製品に分かれていたのですが、この新バージョンから名称が「Rational Software Architect (以下RSA)」に統合されました。V8の最大のポイントはRSA(基盤)に必要に応じてオプション機能を追加するパッケージ体系に変更になったことでしょう(図1)。

カフェテリアで好きなものを組み合わせて買うイメージがわかりやすいかもしれません。RSA V8の新機能や各オプションの詳細はRSA製品ページRSA V8 What's Newを確認してください。

図1:Rational Software Architect V8 のパッケージング(クリックで拡大)

RSA(基盤)は約14万円から購入することが可能です。これを高いか安いかどう感じるかは人によって違うと思いますが、筆者は大きな驚きでした。Rationalの今までのモデリング製品は最低でも約30万円、それもRSA V8(基盤)は単純にUMLモデリングができるだけでなく、UMLからJava、C#、VB.NETなどへの自動コード変換ができるMDD機能を備えているのです。UMLモデリングやMDDのさらなる普及への意気込みが感じられます。

といっても企業システムのIT分野を考えてみると基盤だけでは足りないケースがあります。特に上流やインフラストラクチャーの設計です。そこで、RSA V8が持つ多くの機能の中でも、以下の4つの機能に注目したいと思います。

  1. インフラストラクチャーのモデリング
  2. 動的モデルのシミュレーション
  3. SOA(サービス)モデリング
  4. モデリングのチーム開発支援機能

次のページからはこれらの機能を深掘りすることで、最新UMLモデリングをご紹介します。

日本アイ・ビー・エム株式会社

日本アイ・ビー・エム(株)入社以来、ソフトウェア事業にてWebSphere Application Severのテクニカル・セールスとして活動。その後、お客様担当SEとしてSOAプロジェクトに参加し、2009年からRationalテクニカル・セールスとして、主に設計・開発・テスト分野のRational製品を担当。developerWorks Rational管理者。
ご意見・コメントはhttp://twitter.com/AtsushiKurokawaまでお願いします。

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