Windows XPのサポート終了に伴う、IE6対応アプリケーションのクロスブラウザ対応事例
WIndows XPのサポート終了が示すこと
InternetExplorer 6.x(以下IE6)で動作するアプリケーションはこれまで多く開発され、Windows XPのサポート切れまで1年を切る現在でも、まだ3割以上のアプリケーションが上位アップグレードの対応が決まっていないと言われています。
良く行われる提案が、システムのサービスインから数年が経過し、ハードウェアのリース切れのタイミングでリプレイスすることだと思うのですが、作り直すことで機能改善も見込める反面、コストがかかります。それよりも、システム担当の方の負担が大きいことも無視できないですよね。せっかく数年前に苦労して稼働させたシステムを「もうさわりたくない」というのが本音だと思います。
そうはいっても、来年4月のWindows XPのサポート終了に伴う、IE6ブラウザのサポート切れというタイムリミットが迫る中、リプレイスの必要に迫られているのも事実だと思います。手間やコストをできるだけかけずに、どうにかする方法はないのでしょうか。
今回のコラムでは、連載「Business UXという考え方」でも紹介している、「XPLATFORM」を使って、タイミングよくサーバー側のアプリケーションを改修せずに低コスト、短納期でIE6対応アプリケーションをクロスブラウザ(IE6〜10、Chrome、Firefoxなど)に対応させた事例をご紹介します。
サーバーソフトウェアの改修なしで実現しているので、手間をかかずに機能改善とクロスブラウザを実現しています。さらに、今回の事例では利用者から改善要求を頂いた画面周りの改善も行っています。実際の工数も紹介していますので、是非参考にしてください。
サーバーアプリケーションをそのままにシステム改修を行う
現状のシステム構成図は下記です。
この構成はどこでもある、ブラウザとアプリケーションサーバー+DBによるWebアプリケーションシステムになります。この構成から、XPLATFORMを活用してサーバーアプリケーションを変更せずに改修しています。
改修後の構成は以下になります。
まず、Windows環境用のクライアントとHTML5版のクライアントにAndroid/iOS環境用のクライアントをワンソースで開発しています。そして、XPLATFORMのクライアントからアプリケーションサーバーに対してX-APIを用いて通信を行っています。それ以外のサーバー側の改修は一切行っていません。
XPLATFORMは、以下の図に示すように、標準機能としてWindows上でランタイムで稼働するRuntime版と各種主要ブラウザに対応しているHTML版、そしてスマートフォン上で動作するハイブリッド版を提供しています。
これらのクライアントプラットフォームで動作するクライアントアプリケーションを、ワンソースでクロスプラットフォーム開発します。
さらに、それぞれの使用環境に合わせた画面をMLM(Multi Layout Manager)というツールを活用し、ノンコーディングで画面を作ることができます。
XPLATFORMを活用することにより、サーバー側のアプリケーションを改修せずに、画面レイアウトをWindowsPC、ブラウザ、スマートフォンに簡単に対応することができます。