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HTML5時代のRIA

2011年3月7日(月)
春日井 良隆(かすがい・よしたか)

RIAとは?

HTML5やSilverlightを語るとき、RIAを避けて通ることはできません。

RIAとはRich Internet Applicationの頭文字で、「アール・アイ・エー」や「リア」と呼ばれます。ちなみに、この呼称は海外でも同じです。2003年10月に、アイ・ティ・フロンティア、ビジネス・アーキテクツ、マクロメディア(現アドビ システムズ)の3社が発起人となって設立されたRIAコンソーシアムでは、RIAのことを「豊かな表現力を持ち、より機能的で、操作性の良いWebの仕組みを表す概念」と定義しています。

量販店のソフトコーナーに並んでいるアプリケーション、例えば、Officeのようなコンシューマー向けのアプリケーションは、UIの設計やデザイン、あるいは使い勝手が悪ければ売れないので、パッケージのデザインを含めて、ソフトウエア全体がデザインされています。ゲームソフトはその最先端と言えるでしょう。

しかし、特定の組織内だけで使用される業務アプリケーションは、提供する側が有無を言わさず使わせることができることもあり、ユーザー(この場合は社員や職員)の使い勝手が考慮されることはあまりありません。「使いづらいなぁ」と思いながらも、そのアプリケーションを使わざるを得ないので、我慢しながら勤怠管理のフォームに入力をしたり、売り上げの数字を確認したりしているのが現状でしょう。

ただ、ITへの投資が盛んになってくると、そのような業務アプリケーションにも、コンシューマー向けのアプリケーションに見られるようなユーザーエクスペリエンスやユーザビリティといった、ユーザーの視点を採り入れることで、業務効率の改善や売り上げの向上につながるはずだという発想も生まれました。

一方で、インターネットの普及と共に、クライアント・サーバー方式で構築されていたアプリケーションのWeb化が促進されるようになります。運用やメンテナンスの点でメリットがあるWebアプリケーションへの移行は、定期的に使い勝手の改善を加えることが望ましいユーザー視点のアプリケーションとの相性もよく、提供形態の変化にユーザー視点の考え方が加わったことで、RIAの波及に弾みがつきました。

RIAの重要性はコンピューティングのクラウド化によって、今以上に重要度を増していくはずです。データからアプリケーション、サービスなど、あらゆるものがデータセンターに集約され、それをPC、スマートフォン、スレートPCなど多様なデバイスから接続し利用する場合、デバイス上で操作するアプリケーションこそが、それを使う人、つまり、ユーザーとの唯一の接点になるからです。

ちなみにRIAではビジュアルと技術に目が行きがちですが、カラフルな棒グラフがビュンビュンと飛び出たり、ボタンが点滅したり、にゅるにゅると滑らかにインタラクションすることは、RIAの本質とは関係がありません。また、SilverlightやAIRを使えば、イコールRIA、ということでもありません。ユーザーの視点に立ってデザインすること。これこそが、RIAの本質です。

図1:ROIとユーザーエクスペリエンス ~UXを改善するどんな費用対効果が期待できるのか?~(クリックで拡大)
会議室予約システムという汎用性のあるアプリケーションを題材に、ユーザーエクスペリエンスの改善による費用対効果を提案書という形で公表している
著者
春日井 良隆(かすがい・よしたか)
日本マイクロソフト株式会社

日本マイクロソフト株式会社 UXエバンジェリスト
岐阜大学を卒業後、大沢商会を経て、アドビ システムズ社に入社。10年に亘ってAfter EffectsやPremiereといったビデオ編集ツールのプロダクトマネージャーを務める。2007年、Expressionのプロダクトマネージャーとして、マイクロソフトに入社。その後、 Silverlightを含めたマーケティングを統括する。2009年からはエバンジェリスト部門で、ユーザーエクスペリエンスとその中核技術であるSilverlight、Internet Explorerの訴求に奔走中

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