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「Project Fi」:グーグルの考えるネットワークの未来図

2015年5月7日(木)
ReadWrite Japan

以前より進んでいた話がいよいよ形になった。「Project Fi」は無線通信市場に決定的な影響を与える試みだ。Google GlassからLoonまで、これまでのグーグルの他のプロジェクト同様、今回もイノベーティブかつ実験的な性質をもつ。

アイデアはシンプルだ。Project Fiにサインアップすれば、どこにいようが携帯はその場所で最速のネットワークに自動的につながるというものだ。アクセスはグーグル公認のWi-Fiスポットならびに、パートナー企業が提供する4G LTE網だ。(サービス開始にあたって一組目のパートナー企業はSprintとT-Mobileだ)

これはSprintやT-Mobileが提供しているセルラー/Wi-Fiのシームレスなスイッチングがより高度になったものだ。グーグルはこのプロジェクトはこれまでになく膨張志向の高いものになると宣言している。

Project FiはただのWi-Fi/セルラー間のスイッチングに留まらず、より幅広いプラットフォームが対象となる。例えば家に携帯を忘れてきたとしても、会社のPCから電話やSMSを送ることが出来たりする。

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Project Fiのイラストレーション(Source: Google)

グーグル・ユーザーはすでにメール、ドキュメント、写真その他にブラウザ経由でアクセスすることが出来る。Fiはこれに電話とSMSを追加でき、言ってみればSIMカードに依存する機能をクラウドに持ってくる感覚だ。Google Voiceが更に近代的になった感じのものであり、グーグルの説明サイトによると、Hangoutsがサービスのバックボーンになるようだ。

超高速ブロードバンドおよび途上国の通信網配備に投資してきた事を考えれば、Project Fiの狙いは合点がいく。スマートフォンユーザーがどこにいて何のデバイスを使ってようが関係なしに、可能な限り最速の通信を提供しようということだ。

通信料は使った分だけ

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1つの番号で複数のデバイスから送受信が可能

先程「どこにいようが」と書いたが、これは世界中どこにいようがという事である。Fiのユーザーは月20ドルで電話、SMS、Wi-Fiテザリングおよび120カ国以上での国際通信が利用でき、1GB毎に10ドルを支払う。

月10ドル余分に支払うことで1GB、20ドルで2GBの通信量が得られる計算だ。そして通信量のうち使わなかった分については返金が利く。例えば2GB分支払って1GBしか使わなかった場合、月の終わりに10ドル返金されると言った具合だ。

興味がわいただろうか?グーグルはProject Fiのサイトでユーザーを募集している。しかし現時点で参加するにはNexus 6が必要だ。世界中の異なったネットワーク間のスイッチングに特別な回路が必要とされるのもその理由の1つだ。また既存のネットワークに過度の影響を与えることを避けるため、グーグルによりユーザーの枠は小出しにされる。

NexusプログラムやGoogle Fiberなどと同じく、Project Fiも他社が追随するモデルの1つになろうとしている。ユーザーにとっての利便性や容易に使える点などを考えると、グーグルの戦略の中でも非常に実のある一手と言える。あとは市場がこれに乗ってくるかどうかだ。

またこの試みはWi-Fiとセルラー網通信の違いを打ち破る事にも関係してくる。5~10年後、我々はこれらの違いに気付きすらしないようになるのかも知れない。SIMカードはこれまでよくやったが、そろそろ引退の時だ。

画像提供:
トップ画像:Shutterstock
その他画像:Google

David Nield
[原文]

※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。

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