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FacebookやGoogleは銀行をどう変えるか(2)

2017年5月26日(金)
ReadWrite Japan

カスタマージャーニーを改善する

情報に敏感な今日の顧客は最上質のサービスをプロバイダに求めてくる。彼らが選ぶのはやりたいことだけをやってくれる業者であり、銀行や金融サービスにおいて顧客が主に気にするのは、信頼性と利便性、そしてセキュリティの3つである。
新しい規制に対応し、複雑さを増す業界で勝ち残っていくと言うことは、顧客に選択肢を与えられるかどうかにかかっている。
斬新で改善されたカスタマーエクスペリエンスを技術的に提供可能で、またそれを提供しようとする企業文化を持っているところだけが、競争の厳しさが増すこの銀行業界で生き残っていくことができるのである。

銀行が競争に残っていくためには、顧客が望むものを提供しなければならず、そのためには顧客のカスタマージャーニーを全体的に把握する必要がある。銀行は膨大な量のデータを抱えているものの、カスタマージャーニー分析の経験が限られてい最も現実的な方法は、GoogleやFacebook、Amazon、あるいは金融テクノロジーやeコマースに携わる企業とコラボレーションすることではないだろうか。

金融機関とこれら企業との提携により、便利で付加価値の高いサービスを提供でき、顧客満足度が大きく改善される道が開かれることになる。以下はそういったものの例である。

・あらゆるものを使って支払いが行える

これまで店で買い物をする際、顧客はレジに並んでクレジットカードやデビットカードを使って支払いを済ませていた。PSD2が実現することによりこのモデルは全く様変わりし、顧客はスマートウォッチや車、携帯電話などあらゆるデバイスを使って支払いを済ますことができるようになる。

・統合されたデータ ASIP

サービスを使うことで、顧客は支出から取引のほか、あらゆる金融データにアクセスすることができるようになり、データに基づいたアドバイスをプロバイダから受けることができるようになる。

これら未来的な支払い技術は顧客に素晴らしい価値を提供するものだが、一連の支払いの流れにおける銀行の役割には疑問が残る。以下にあげるのは銀行が拡大されたカスタマージャーニーをとりいれ、競争力を維持するためにとれるいくつかの方法だ。

・APIエコノミー

顧客により良いエクスペリエンスを提供するために、銀行は自身のコアサービスを適切なタイミングで提供する方法を模索しなければならない。Visaはすでにこの点において大きな一歩を踏み出しており、コネクテッドデバイスから支払いを行う方法を提供している。

・最善のカスタマーサービス

これから現れるライバルに対する競争力を維持するために、銀行は提供するもののスコープを広げ、顧客が求める金融製品の供給業者としての役割が求められる。そのために銀行は様々な範囲のカスタマージャーニーを生み出すことができる企業との提携を求められることになる。

データに基づいたカスタマージャーニーから導き出す知見

銀行やそのほかの金融機関はより良いサービス提供のために、顧客の取引データを用いているが、そのスコープは内輪向けに限定されたものだ。今後の規制の変更によりカスタマージャーニーは拡大され、様々なサードパーティープロバイダもこれに含まれることになる。つまり銀行は、組織の内部でのみ得られたデータだけでなく、自分たちの組織外のエコシステムで行われている顧客のやりとりについても目を向ける必要があり、またその情報を使ってカスタマーエクスペリエンスの向上に結びつけていくことが求められる。

GoogleやFacebook、Amazonや、顧客の振舞やカスタマージャーニー分析にすぐれたそのほかの企業との提携は、銀行に最先端のデータアナリティクステクノロジーをもたらし、カスタマージャーニーから貴重な知見を導き出し、サービスのパーソナライゼーションに役立てることができる。

カスタマージャーニーのデータをリアルタイムで変換する

GDPRとPSD2の実現は銀行に2つの課題を提示する。最高級のエクスペリエンスを提供することで競争力を保てるかと言うことと、コンプライアンス違反による罰金や制裁を回避できるかと言う点だ。将来の厳しい規制を超えられるように、企業は承認/却下の管理や最適なデータガバナンスの運用、カスタマージャーニーを計測し、適切なエクスペリエンスに変換できること、レガシーなシステムやアプリを将来の用途に耐えられるものにすることが求められるだろう。

この状況に対する金融機関の反応は?

銀行や金融業界が経験することになる変化の速さと複雑さは相当なものであり、テクノロジーを用いてカスタマージャーニーの改善に力を注ぐ企業だけがこれをしのぐことができるだろう。結果、進歩的な考えを持って活発に成長を求める金融機関はすでに、カスタマージャーニー分析で高い経験を持つ企業と提携関係を築いており、これまでになく質の高いカスタマーエクスペリエンスを生みだすための、確かな道筋をものにしている。

今後の予想

PSD2とGDPRにより銀行業界に革命が起こるだろう。新しい規制やテクノロジーがもたらす変化に戦略的に対応できる
銀行が勝ち組となっていく。

様々なレベルで多くの人に恩恵をもたらすこの機会において万能のソリューションと言うものはないが、Google、Facebook、Amazon、eコマースおよび金融テクノロジー企業と信頼性があり付加価値が高い関係を構築することは、銀行にとって第一に取り組まなければならないことだ。

新しい規制により、カスタマージャーニーは企業の垣根を超え、その指数関数的に増加する複雑さに対応するために銀行は
カスタマージャーニー分析での競争力を身につける必要と、それを支えるスケーラブルなインフラへの投資が求められるだろう。

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RONALD VAN LOON
[原文4]

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。
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