課題管理対決!Redmine vs. Trac
Redmineの機能と特徴
Redmineは、Ruby on Rails上で動作する、Webインタフェースの課題追跡(Issue Tracking)ツールです。原稿執筆時点(2008年9月現在)での最新のバージョンは0.7.3です。
Redmineが搭載している機能は、「マイルストン設定(ロードマップ)」「カレンダー/ガントチャートの表示(概要)」「作業時間の登録/集計(チケット、概要)」「作業履歴の閲覧(活動)」「課題の登録/追跡管理(チケット、新しいチケット)」「伝言板(ニュース)」「文書の登録/閲覧(文書、Wiki)」「ディスカッション(フォーラム)」「ファイルの共有(ファイル)」「ソース管理との連携(リポジトリ)」「ワークフロー定義」「メール通知」「RSS配信」「ユーザの管理/ロール・権限の設定」です。なお、かっこの中はRedmine画面上で対応する主なメニュー項目名です。
筆者の環境(Windows XP Pro)でセットアップしたところ、ツールの画面が表示されるところまで比較的短時間で行うことができました。手順の詳細はRedmineの公式サイトのインストールページ(http://www.redmine.org/wiki/redmine/RedmineInstall)またはRedmine.jpのインストールページ(http://redmine.jp/guide/RedmineInstall)を確認してください。
ツールを使用する際に参照するドキュメントも、上記Webサイト内のガイド(http://www.redmine.org/wiki/redmine/Guide)、または日本語訳(http://redmine.jp/guide/)にあります。Redmineは、日本語表示にも対応しています。
使い始めは、Redmineの用語(活動、チケット、トラッカー、ロードマップなど)に戸惑うかもしれませんが、一度慣れてしまえば画面の構成や表示内容は分かりやすく、操作で迷うことは少ないでしょう。
Redmineの利用シーン
Redmineはさまざまな機能を持っていますが、基本的には「課題管理ツール」です。Redmineでは、課題(Issue)を「バグ(Bug)」「機能(Feature)」「サポート(Support)」という3種類のトラッカーで区別できるようになっています。
トラッカーの種類は、変更や追加が可能です。ただ、これらはそれぞれ個別のワークフローを設定できたり、一覧への表示の有無を選択できたりするものの、課題の設定内容そのものには特に違いはありません。
「第1回:現場が求めるOSS管理ツールとは?(http://www.thinkit.co.jp/article/138/1/)」にて現場のプロジェクトにおけるニーズを分析しましたが、これに対してRedmineの使いどころを考えると、当然ながらプロジェクトの課題全般の状況追跡・管理といった場面でもっとも利用するメリットが大きくなるでしょう。
Redmineのアドバンテージとしては、下記の2点が考えられます。
1つ目は、課題(Issue)にひも付いたコメントや、関連する課題、ファイル、ディスカッション、Wikiなどの情報を蓄積できることです。これにより、それぞれの課題に関する対応の経過や関連資料の把握、行われた議論の内容を必要に応じて入手することができるようになります。蓄積した内容の検索機能も持っているため、情報を投入すればするほど有益なナレッジベースとしての価値も上がっていくことも想定されます。
2つ目は、バージョン管理システムとの連携が可能な点です。Web画面上からリポジトリを閲覧できるほか、コミット時のコメント内容から課題とソースコードを関連付けたり、自動的に課題の状態(ステータスや進行%)を変更するような設定が可能です。ワークフローと組み合わせて使うことによって、修正と承認の制限をかけるような使い方も可能です。
続いて、Redmineよりも歴史の古いTracについてみてみましょう。