はじめに
金融、小売、Web系企業が続々とコンテナを採用し、Webアプリケーションを中心に普及が加速している。
国内調査会社である株式会社テクノ・システム・リサーチは、2019年8月、コンテナ・Kubernetes市場の調査結果「2019年版コンテナ・Kubernetes市場のマーケティング分析」を発表した。
この調査はコンテナやKubernetes製品を提供しているサービス事業者と、サービス、製品を利用している企業のIT部門(アプリ開発、システム設計/構築、インフラ設計/構築部門)に調査を実施している。また、実際にコンテナ・Kubernetesを活用しているユーザー企業へのヒアリングも行い、コンテナの導入状況や課題をまとめている。
ここでは、本調査結果について、いくつかトピックを紹介していく。
コンテナ・Kubernetesの国内市場、
2018年は約111億円規模に
Kubernetesの登場により、コンテナは一部のWeb系企業のものだけではなく、エンタープライズのシステムにおいても活用されるようになってきた。そして、その進化は非常に速く、日々新たな機能が追加されより利用しやすいものへと進化している。
コンテナが普及する背景にあるのは、コンテナの位置づけが「開発リリースを加速させるためのプラットフォームである」という点が大きい。モバイルアプリやWebアプリケーション、AI、機械学習など新しいアプリケーションが次々と生まれているが、それらのアプリケーションはより早く、ユーザーの使い勝手を考慮した形で改修が行われ迅速に成長していくものであり、「デジタルトランスフォーメーションを実現するためのアプリケーション」とも呼べる。
米国では、タクシー会社や小売業などITの変化についてこられない企業は倒産しはじめており、ITアプリケーションとそれに伴った顧客との接点(ユーザーエクスペリエンス)を見出すことが多くの業種業界において大きなポイントとなっていることを考えると、それらのアプリケーションの基盤プラットフォームとなりうるコンテナは、今後も間違いなく拡大していくことになる。
こうした背景から、コンテナ・Kubernetesの2018年国内市場は111億円の市場規模は、2023年には、2018年時点の12倍となる1,395憶円へと市場は拡大する見込みである。
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今回は今後どの程度市場が拡大していくのかという規模感を紹介した。次回は、コンテナ市場にエントリーしサービスを提供している、マネージドサービス事業者や、マネージドソフトウェアのメーカーの強みやポイントに迫っていく。
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