日本の誇りをかけて、いざアトランタへ!

2008年4月28日(月)
山浦 弘

アトランタ世界大会に挑戦!

 「LEGOから学ぶ組み込みシステム開発のキホン(http://www.thinkit.co.jp/article/34/1/)」では、FLL(FIRST LEGO League)(http://www.firstlegoleague.org/)のロボット開発のコツから組み込みシステム開発の基本を解説し、「最強ロボットを作れ!-FLL挑戦記(http://www.thinkit.co.jp/article/37/1/)」では、子供たちが悪戦苦闘しながらも理想のロボットを作るまでの様子を紹介しました。

 本連載は大好評だった上記2つの連載の番外編として、2008年4月17日~19日(実質は18日まで)に米国ジョージア州アトランタで開催されたFLL World Festivalにおいての日本代表チーム「Eleven」の奮闘の様子をお伝えするものです。

 FLL大会のお祭りムード、海外ならではのハプニング、それにも動じず明るくがんばる子供たちの姿を動画や写真をふんだんに使って紹介しますので、ぜひお子さんとご一緒にお楽しみいただければと思います。

改めてFLLとは?

 と言っても、FLLについて御存じでない方々が大半と思いますので、まず、FLLの説明から入りましょう。FLLとは、米国のFIRST財団(Foundation for the Inspiration and Recognition of Science and Technology)(http://www.firstlegoleague.org/)とレゴブロックで有名なデンマークの玩具メーカーLEGO社が提携して主催する国際的なロボットコンテストの一種です。

 FLLでは、毎年定められる「チャレンジ」と呼ばれるテーマに沿って9歳から16歳(米国では14歳)までの子供たちが10人以下のチームを作ってロボット競技などを行います。

 FLLは、単なるロボットコンテストではなく、規定の課題を行うロボット競技の成績以外に、テーマに沿った「プロジェクト」(または「リサーチ」)と呼ばれる科学的調査に基づく新技術の提案や社会への啓蒙活動、「テクニカル」と呼ばれるロボット競技で使用しているソフトウェア/ハードウェア技術の独創性/有効性、調査やロボット開発を進めていく中で培った「チームワーク」などに関するプレゼンテーションの内容や形式を考慮して総合的にチームの活動が評価されるのが特徴です。

 特に、チームの活動に必要な資金、知識、場所などを提供してくれるスポンサー探しを子供たちが自ら行うことを推奨していたり、「プロジェクト」の中での社会啓蒙活動にも重点が置かれていたりするなど、子供たちと地域社会との接点を重視している点はほかのロボットコンテストには無い点と言えます。

東京工業大学
大学院理工学研究科 准教授。専門は機械力学・制御工学。2005年に結成されたチーム「Eleven」のメンターの1人として2007年7月より一緒に活動。メンバーの新鮮な発想や才能に日々驚きながらFLLの活動を楽しみました。

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