徹底比較!OSS監視ソフトウエア
オープンソースの監視ソフトウエアの特徴
「第1回:監視ソフトウエアをどう選ぶか」)では、システム監視ソフトウエアの概要と、本連載で比較を行うオープンソース、商用のソフトウエアの簡単な解説を行いました。第2回となる今回は、オープンソースのシステム監視ソフトウエアについて、より掘り下げて解説します。
まずは、オープンソースの監視ソフトウエアの全体的な特徴について解説します。
当然ではありますが、オープンソースソフトウエアであること自体を1つ目の特徴としてあげることができます。商用の監視ソフトウエア製品は、ほかの部類のソフトウエアと比べても比較的高価なため、ライセンス料が無料であることだけでも大きなメリットです(図1-1)。
また、ソースが公開されており、かつ改変が可能であることから、アプライアンスサーバーとして採用しやすく、また監視システム構築の際、運用担当者が使うべきでない機能を簡単に無効にできるといった利点もあげられます。
そのかわりに、利用においてはシステム監視ソフトウエアだけでなく、同時に利用する必要があるソフトウエア(Apache WebサーバーやMySQL/PostgreSQLなどのデータベースなど)も含め、オープンソースソフトウエアを取り扱うこと自体の知識やノウハウ、技術力が必要になります。
特に国内においては、オープンソースの統合監視ソフトウエアを積極的に取り扱うシステム構築/運用業者はまだ少ない状況であるため、実際に運用を行う社内の情報システム部門や運用担当者の十分な理解が不可欠です。なお、この点に関しては、日本国内でサポートサービスを行っている企業があるソフトウエアであれば、そのサービスを利用するという方法もあります。
商用サポートの充実
オープンソースではありますが、開発元の商用サポートが充実しているソフトウエアが多いことが、2つ目の特徴としてあげられます。これはソフトウエアの性質上、企業ユーザーに利用されることを想定しているためと考えられますが、ほかの部類のオープンソースソフトウエアと比較しても顕著です。そのため、ひとまずシステムの一部で導入を行って評価し、必要に応じて商用サポートを購入するといった段階的な導入を行うことが可能です。
しかしながら、現時点では英語圏でのみサポートが展開されているソフトウエアも多く、今後国内でも取り扱いが増えることを期待したい点です(図1-2)。
また、商用製品ではサポート対象外になっているCentOSなどの無償Linuxディストリビューションもサポート対象になっている場合があることも注目すべき点です。
次に、各ソフトウエアについてさまざまな観点から比較していきましょう。