線画をPhotoshopで彩色する方法
こんな道具を使っています
「いい道具を使うと、絵もうまくなる」「なかなかうまく描けない時に道具を替えたらうまくいった」という話を聞いたことがあります。うまく描けないことがあっても、もしかしたらそれは自分のせいじゃなくて道具のせいかもしれません(笑)。
イラストを描く一歩として、身近な道具で気楽に描くことから始めてみましたが、そろそろもうちょっと描きやすい道具、自分に合った道具を探してみてもいいかもしれません。どれが自分にフィットする道具になるかは、人によって異なると思いますが、自分の手にしっくりくる画材を見つけることは、イラストを描く上で大切な要素のひとつです。それに、プロ仕様の道具はモチベーションも上がります。時には専門店をのぞいて、ずらりと並んだ値段やメーカーの違う鉛筆を試し描きしてみるのも楽しいです。
あくまで一例になりますが、筆者はクロッキー帳と鉛筆とPhotoshopを使ってイラストを描いています。STAEDTLER(ステッドラー)の鉛筆(2BがメインでB/3Bも使います)と、マルマンのクロッキー帳が予備校時代から使い慣れた組み合わせです。紙の引っかかり具合と、鉛筆の硬さ(同じ2Bでもメーカーによっていろいろ硬さがあります)がちょうどいいのです。
消しゴムはMONO消しゴムの大きいものを使っています。細かいところを消す時はこれをカッターで小さく切って、その角を使います。ですから、筆箱の中にはなんだかゴミのように小さい消しゴムがいくつか転がっています。
色を塗るのはほとんどPhotoshopです。線画を取り込むためにスキャナーを接続しており、そして細かい作業をするために、ペンタブレットを使っています。投げなわツールで選択範囲を囲む時や、ブラシツールや消しゴムツールで微調整をかける時に、筆者はどうしてもマウスでは思うように描けません。ペンタブレットを使うことでそれが解消されています。絶対座標なのでマウスと勝手が違い、初めは戸惑うかもしれませんが、慣れればとても細かいオペレーションが可能で、かつ素早く作業できます。ペンタブレットはPCと違って一度購入すると長く使うものですから、購入を考える際はなるべく良いものを買うことをおすすめします。
イラストレーションを描くということ
ウォーミングアップとしてらくがきから始めて、いろいろな技法、見せることの大切さ、手順と道具等を紹介してきました。最後に、イラストレーションというものについて考えてみたいと思います。
あるトピックに対して、あなたなりに解釈し、それを第3者に示すことを「イラストレートする」と言うそうです。イラストレーションとはそもそも、そうして考えられてできた絵のことを言います。これまで練習で描いてきたような自分だけで楽しむ絵とはちょっと違いますね。
例えば、「自由のイメージ」を表現してほしいというオーダーがあったとします。あなたはきっと何が「自由」かを考え、あなたなりに解釈し、それを絵にして表現するでしょう。これがイラストレーションです。空を飛ぶ鳥を描く人もいれば、両手を広げて伸びあがる人を描く人もいるでしょう。10人いれば10人の違った表現が生まれます。それが面白いところでもありますね。生みの苦しみはいろいろついてまわりますが、自分なりの答えが出せた時はうれしいものです。
クライアントは「この人ならこういう表現をしてくれるだろう」とオーダーをしますので、あなたなりの表現が出せるように、いろいろな人の絵を見て勉強しておくのも大切です。
でも、だからといって描くことに対して構える必要はありません。これまで紹介してきたように、楽しく面白がって描くというのはとても大事なことですし、筆者もいつもそうありたいと思っています。ですから、あなたなりにいろいろ考えて、それを最後まで面白がって責任をもって描ききることを大切にしてみましょう。それができたときに、きっとひとつあなたの表現が生まれているはずです。
さぁ、気楽に鉛筆を持ってみてください。あなたがこれから描いていくイラストレーションに、本連載が少しでもお役に立てたら幸いです。