IFTTTが取り組む、シームレスコンピューティングとエクスペリエンス
これはIFTTTの共同設立者にしてCEOのLinden Tibbetsとのインタビューである。
IFTTTはコネクテッドデバイス同士のギャップを埋め、更にシームレスなエクスペリエンスを提供することを目的とするオートメーションサービスだ。IFTTT(if this, then thatの略)によってユーザーはプラットフォームを超えてニーズに適合するコネクテッドデバイスとデジタルサービスの統合が可能となる。
IFTTTのCEO Linden Tibbetsはプラットフォームにおける最新の開発が開発者、そして一般ユーザー両方のエクスペリエンスに及ぼす影響とはどの様なものなのかを次の様に説明した。
「2015年の2月、IFTTTは2つのアプリに分かれました。オートメーションに特化したIF、そしてユーザがボタンひとつでアクションを起動できるDOです。この区分が物ごとをどの様にシンプル化するのでしょうか?」
LT: これはさらなるリッチエクスペリエンスへの第一歩だと考えてます。我々がいつも考えることは、「もしこれがこうなのであれば、ずっとずっとああにもなれるはずだ」ということです。それはよりリッチでありながら、かつユーザーにとって簡単に考えることが出来、ユーザーはそれをやりたいかどうかだけを気にすれば済みます。そのレシピで何をやるのかを決める開発者次第で、使うチャンネル数は2にも200にでも好きに決められまるのです。
また、DOとIFが二つに分かれたことで、これ迄とは異なるタイプのDOボタンひとつで出来ることに圧倒される様なレシピについても試してみることが出来ます。
またすべてのインタラクションが起こるのがアプリ上だとも限りません。事実DOアプリのボタンでトリガーされる処理のほぼ40%は、AndroidウィジェットおよびiOS Today Streamウィジェット上で起動してます。このことには少々驚きますが、あらゆるものがアプリを必要とするわけではないという我々の考えと合致します。
コネクテッドデバイスやサービスの全てにアプリが必要だという考え方はまもなく絶滅し、旧来のアプリの世界以外のところで新しいインタラクションや物事の発生を目にすることになるでしょう。
「 DOはプログラミングを厭うユーザーを引き付けていると感じてるのでしょうか?またこれはIFにつながる道となるのでしょうか?」
LT: そう思ってます。DOは間違いなくプログラミングが得意でない人たちにとって魅力的なものだと思います。現に我々はコンシューマ向けのプログラミング言語を出してるわけではないのです。我々にとってレシピとはよりリッチかつ複雑なことが出来ると同時に、一般ユーザーにとってよりシンプルでもありえるものだと考えています。
というわけでプログラミングを厭わない、より開発者指向の高いユーザーはレシピによって表現できるリッチなエクスペリエンスをどんどん形にすると同時に、多くの人々は単純に「これをやるかやらないか」を決めるということになると考えています。
開発者の未来は明るい
「すでにレシピやチャンネルはごまんとあるなか、ユーザーは毎日新しいものを生み出しており、コネクテッドデバイスもどんどん新しいものが出てきているという状況に終わりは見えないわけですが、IFTTTがどの様に全てのニーズにこ応えていこうと考えていますか?」
LT:この問題については、物事をかなりシンプルなものに保ちつつ、IFTTTやレシピの利用をより効率的なものにしていこうと考えてます。またこれをよりパーソナルなものにしていこうとも考えています。というのもIETTT上でより多くのチャンネルとインテグレーションが登場するにつれ、それらのチャンネルやデバイスのサービスがどの様なものか、他の人のものと比べてどう違うのかということが見えてくる機会も増えるからです。
我々のプラットフォームは人々がサービスを使って何をしているのか、彼らが簡単なレシピを使って何を表そうとしているのかを、開発者がよりよく理解できるものになりつつあります。
「さまざまなAPIが稼働するためには多くのコーディングや労力が必要であり、それがあるからこそ今あるレシピも動き続けることが出来るわけですが、当然これにはコストがかかります。しかしながらあなた方のWebサイトに広告が載っているわけでもなく、フリーソフトが提供されているわけでもない。あなた方はIFをどの様に収益化している、あるいはしようとしているのでしょうか?」
LT: 実のところ我々が作り上げたプラットフォームのおかげもあり、多くの労力が必要というわけではありません。我々は未だにプライベートベータ版の開発用プラットフォームがあり、開発者たちはそこで開発やメンテナンスを行ってくれています。つまり、ITFFFのエコシステムの一部であることに開発者たちが価値を見出し、自分たちがIFTTT上で構築し、改良しメンテすることに喜びを感じるひじょうにエキサイティングな構図がそこにあります。
このことはまさに我々の収益化についての考えと直結しています。ここでいう開発プラットフォームはまだまだ未熟なものですが、これに多額の投資をし、将来を賭けるプラットフォームに作り上げます。IFTTTが開発者たち自身のブランドを表現の場というだけではなく、彼らがサービス、プラットフォーム、デバイスをまたがるシームレスなエクスペリエンスを作り上げる場を提供するというのが目的です。
「IoTの未来、そしてそこにおけるIFTTTの役割とはいったい何だとお考えですか?5年後、10年後のIFTTTはどの様に立ち位置のものになっていると思いますか?」
今となっては部屋にあるものすべてが何らかの形でネットにつながるようになるということは、なんら想像し難いことではなくなりました。しかしそれがどの様な感じとなり、どの様に動作するのかということについては未だに予想の域を出ません。だがそれは確実に起こることです。インターネットは我々が思うよりも早くブラウザーを飛び出し現実世界に現れます。
それにより、コネクテッドデバイスとそれらを取り巻くサービスが、それぞれ異なる企業によって作られる世界が実現します。ソフトウェアにおける古い考え方は垂直なサイロのようなものであり、我々はそれに取り囲まれているような状況です。その中には更に異なる別の垂直サイロを生み出します(GoogleやApple、MSなどがその例です)IETTTが意図するところ、そして我々が望むところとは、これら垂直なサイロを開発者たちが水平にカットし、それら垂直なサイロがもつ力とデータとを統合することです。
人々がIFTTTが取り組むこういったシームレスコンピューティングやエクスペリエンスについて語るということで、開発者自身がシームレスなエクスペリエンスを開発できるようになるわけで、我々はこれこそがインターネットがどこにでもあり、使いやすく、かつ個人個人が望む方法で使われる未来だと思っています。
我々のチームはその未来を提供することにワクワクしており、プラットフォーム、レシピ、そしてこれらを組み合わせるための新しいアイデアに取り組んでいると考えています。2016年、我々は何か大きなものをお届けできることでしょう。
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ReadWriteJapan編集部
[原文]
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