Cyanogenが語るアプリの次の進化とは
“もうひとつのAndroid OSメーカー”と称されるCyanogen(サイアノジェン)は面白い会社だ。
オープンソース開発者たちのコミュニティーとして出発、
現在はサードパーティーのファームウェアビジネスとして成功を治めている。
彼らの最もよく知られている製品”CyanogenMod(サイアノジェンモッド)”は、
Androidスマートフォン/タブレット向けのオープンソースOSだ。
取り分け「GoogleからAndroidを奪え」というその野望から、彼らに対しては様々な声がある。
去年の4月にはMicrosoftとのパートナーシップ契約を発表。
CyanogenがMicrosoftの業務効率ツールやメッセージアプリなどのコンシューマアプリなどとの統合を図るという。
このコラボレーションの一環としてMicrosoftはCyanogen OSの為にネイティブ化も検討している。
先日、とあるCyanogenのチームメンバーに会うことが出来た。
彼らは統合モバイルプラットフォームであるMOD(CyanogenModの事ではない)を打ち出そうとしており、
このプラットフォームによって、モバイルOSネイティブなインテリジェントで、コンテキストを読むことが出来、軽快なエクスペリエンスを実現するMODSと呼ばれるものがもたらされるという。
この事はサードパーティーアプリもプラットフォームのAPIを使って
Cyanogen OSで直接的にユニークなエクスペリエンスの実装が
行えるようになることを意味する。
MODによってアプリを立ち上げる事なく一連のエクスペリエンスを
実現することが出来る。下記は一例となる。
TrueCaller Mod
20億以上の世界中の電話番号が収められたDBにより、
電話やメッセンジャーアプリからスパムメッセージや嫌がらせ電話を検知、
ブロックすることが出来るようになるSocial lock screen
ロック画面上でSNSで話題の投稿などを確認する
ことが出来るSkype Mod
電話アプリに直接的に統合されており、電話をしている最中に
Skype通話に切り替えることが出来る。Cortana Mod
リマインダの設定からミーティングの予定入力、友人への
電話/メッセージなどあらゆることが出来るようになる。
自撮りの際には音声によるシャッターのカウントダウンも起動できる。OneNote Mod
OS上でいつでも直感的にノートを撮ることができる。
OneNote Modは電話アプリ、ブラウザその他、OSの至る所に
そのエントリーポイントを設けている。クイックセッティングタイルもあるので
いつでもサッとメモを取ることが出きる。Hyperlapse Mod
カメラアプリを立ち上げ、モードをHyperlapseに切り替え
るだけで、 特別なアプリを入れなくてもHyperlapse動画の撮影、編集、
シェアが行えるようになる。
彼らはこれらMODのデモを見せてくれ、アプリの事を「1つの事しか考えていない
つまらないもの」だという独自の考えを明らかにした。
“MODSによって、より深いレベルの統合のための障壁は取り除かれ、
開発者たちがOS上であらゆることが実現できる様になります。
音声でトレーニング中に楽曲リストを起動したり、
カレンダーから車両乗合サービスの予定を組んだり、
連絡先リストからビデオ会議を行ったりする事ができるようになります。
むしろシステムの方からユーザーに、手がけているタスクを
終わらせるために最適なMODをインストールするよう持ちかけます“
MOD ReadyによってOEMやMNO業者は大規模かつ迅速な対応が可能になる
“常に需要に対応できるテクノロジーの提供“ それはCyanogenの挑戦である。
MODが動作するデバイス市場の確立を急ぐため、CyanogenはOEMおよびMNO業者が幅広いチップセットを対象に素早くモバイル端末を販売出来るようにするために「MODReadyプログラム」を打ち出した。
MOD Readyプログラムの一環として、Cyanogenはプラットフォーム開発キット(PDK)を提供。
これはMODが動作するデバイスを販売に持っていくためのコンポーネントを含んだものだ。加えてCyanogenは主要なチップセット供給者と手を組み、PDKのチップセット対応のロードマップを3ヶ月単位で更新するという。
またCyanogenOSはCTS(Compatibility Test Suite)に対応している為、パートナー業者がMOD Readyデバイスを展開するにあたって、既存のAndroidの基盤を活用することも出来る。
来月からCyanogen OS 13.0以上を搭載したデバイスとともに、MODプラットフォームの展開がスタート。
世間がこの事をどう受け取るか興味深いところだ。
将来のアプリの”標準規格”というものになっているのではないだろうか。
ReadWrite Japan編集部
[原文]
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