ロボット開発にフル活用するRTミドルウエア 5

RTCを組み合わせてロボットを作ろう

RTCを使えばロボット開発もスムーズ いよいよこの連載も最後となりました。これまではロボットの部品を制御するソフトウエアの単位として、RTコンポーネント(RTC)の開発を説明してきました。

菅 佑樹

2009年6月30日 20:00

RTCを使えばロボット開発もスムーズ

 いよいよこの連載も最後となりました。これまではロボットの部品を制御するソフトウエアの単位として、RTコンポーネント(RTC)の開発を説明してきました。

 最終回となる今回は、本連載でこれまで開発したRTCを使って、1体のロボットを作ってみたいと思います。

 これまでの話題は、RTミドルウエアを使ってRTCを提供する側の話であり、パーツやソフトウエアのベンダー側の話です。

 今回はベンダーから提供されたRTCを使って、アプリケーション(ロボット) を開発する側、つまりパーツベンダーから見たコンシューマ側の話をしていきます。RTCが提供されていることでいかにロボット開発がスムーズに進むのか、体験していただきましょう。

 では、今回作成するロボットの仕様を以下のとおり定めます。

1)頭部にカメラを搭載している。
2)首に自由度(モータ)を持ち、水平方向に首を振ることができる。
3)明るい色の物体が視界に入ると「こんにちは」と発話する。
4)カメラを搭載し、明るい色の物体に反応して首を振る。

 以上を踏まえて、ロボットのRTシステムを図1-1のように定めます。まずUSBCameraAcquireで取得された画像が、Binarize(第2回:http://thinkit.jp/article/953/1/)で画像処理され、明るさ2値化で抽出された物体の画像領域内(320x240)での重心位置(x, y)で出力されます。

 これをメインRTC(今回)で処理し、初めて領域内に物体が現れた場合は、AquesTalkVoice(第3回:http://thinkit.jp/article/956/1/)に文字列を送信し、物体の画像領域の中心(160, 120)からの左右のずれに比例した値を、iMCs04Control(第4回:http://thinkit.jp/article/963/1/)に送信し、物体を追いかけるように首振りを行います。

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タグ項目1項目2設定値
基本RT-Component Basic ProfileModule nameRobotMain
Module vendorあなたの名前
Execution Rate10
Output ProjectRobotMainCompProj
データポートRT-Component Data InPort Profile
(Addボタンで入力ポートを追加)
Port Namein
Data TypeTimedDoubleSeq
Var Namein
Disp. Positionleft
RT-Component Data OutPort Profile
(Addボタンで入力ポートを追加)
(1)Port Namestring Out
Data TypeTimedString
Var namestring Out
Disp.Positionright
(2)Port NamemotorOut
Data TypeTimedFloat
Var NamemotorOut
Disp.Positionright
言語・環境C++OSWindows

図1-2:RTC Builderのパラメータ

メインRTCによるRTシステム制御

 今回は、ロボットのシステム全体を統御するコンポーネントを作成します。

 メインRTCは、ロボットのそれぞれの機能単位から情報を受け取り、発話や動作のタイミングを制御します。したがってメインRTCは、これまで開発して きたRTCとの接続性を守る必要があるため、自動的にメインRTCが持つデータポートの仕様が決定します。

 RTC Builderに渡すメインRTCの設計パラメータを図1-2に示します。

 入力ポートは、画像処理RTCから受け取る物体の重心位置座標(TimedDoubleSeq型)です。

 出力ポートは2つあり、ひとつは音声合成RTCに送信する文字列(TimedString型)。もうひとつはモータ制御RTCに送信する角度指令値 (TimedFloat型)です。

 RTC Builderでスケルトンを生成した後に、copyprops.batを実行してOpenRTM-aistのプロパティシートを用意します。また、 rtc.confにネームサーバーの設定として「corba.nameservers:localhost」を追加します。詳しくは前回までの記事を参考 にしてください。

 今回は特別なライブラリを必要としません。

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