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| SCM 1.0の現状と変化に対応できるSCM 2.0 | ||||||||||
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日本の多くの企業においては、このようなSCMはまだまだ構築されているとは言えないのが現状だ。例えば日本の家電量販店ではパソコンとプリンタをセットで購入すると無料のセットアップサービスを実施している店舗がおおい。このようなサービスを行うために、実はショップではなく専門業者から技術者を派遣するため、顧客の日程に合わせて電話でスケジュール調整をしつつ、配送日もあわせる必要がある。もし配送日とセットアップの日時がずれてしまうと、顧客は荷物の受け取りと技術者の訪問と二度手間がかかってしまう。 もし注文した際に、店頭のパソコンで製品の納入日と技術者のスケジュールを確認できれば、顧客には何度も時間を取ってもらう必要もなくなる。そのためにも配送と技術者のスケジュールを一度に確認できるシステムがあると迅速な対応が可能となり、結果的に顧客満足度を向上することができるのだ。 しかし現状では、在庫ならともかく、宅配業者の配送や技術者のスケジュールはシステムが連携しているケースはほとんどなく、電話やWebを使って担当者が調整しているはずだ。 これを実現するための新しいSCMが生まれてきている。ここでは変化に対応し、有機的にシステムが連携して改善するものとして「SCM 2.0」と呼ぶ。 ビジネス環境は、日々変化していくため、1年前に開発したビジネスプロセスが、今日には適合しないということは頻繁に起こりえる。また企業にとって新たなビジネス分野に参入する際には他社の部門買収や同業との合併などは、規模と効率の増加を目指す企業として今後ますます頻繁に起こってくるだろう。 SCM 2.0を導入している米国のベストバイなどの家電量販店では、パソコンとプリンタを同時購入して、さらにセットアップサービスを利用する場合、注文したときにシステム上にセットアップサービスが訪問できる日時も表示され、配送後にサービスマンが訪問し、配送日にすべて作業が終了し、翌日からパソコンがすぐに使えるといった顧客サービスを提供することができる。競争が激しい業界では、こういった顧客サービスが売り上げと企業を成長させるキーにもなっているのだ。 このような環境において、企業システムの中で大きな問題となっているのは、在庫システム、販売システムといった、企業の成長を支える根幹となるものを、いかに会社という枠を超えて有機的に接続していくかということだ。変化の激しいビジネス環境を考えると、SCMとして構築したビジネスプロセスを容易に変更できることも必要といえる。 このような時に、キーポイントになるのは各社が持っているITシステムをどれだけ短期間で、有機的に接続したSCM 2.0へと統合できるかだ。同じような商品を扱っていても、システムが2重になっていると、配送、在庫などの処理も重複し、買収や合併で得られる業務改善や効率化といったメリットがほとんど意味がなくなってしまうのである。この部分は、実は企業買収の当初は見逃されがちな部分なのである。 |
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