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| 重要なものを優先して実装することによる高い投資対効果 | ||||||||||||||
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プロジェクトでは時間と予算は決まっており、湯水のように使えるということはありませんので、少ない投資で高い効果を得たいと誰もが考えます。 アジャイル開発はソフトウェアが生み出す価値で高い効果を得ようとしますので、ビジネスにおいて重要なものから優先的に実装されます。逆にいえば、優先度の低いものは実装される可能性が少ないのです。 「経済において、全体の数値の大部分は全体を構成するうちの一部の要素が生み出している」という「80対20の法則(パレートの法則)」があります。この考えに基づくと、すべての機能が実装される必要はありません。システムが重要としている20%の部分を優先的に実装することができれば、システムとしての存在価値は十分に保たれることになるのです。 もし優先付けをしないまま、システムの核心とならない部分ばかりを実装してしまったのならば、システムとしての存在価値は保たれません。80対20は大げさだとしても、すべての要件が満たされなければ運用を開始できないシステムは少ないと思います。ユーザはアジャイル開発によって、限られた時間や予算の中で優先的にビジネス価値の高いものを手に入れることができるのです。 ![]() 図4:「80対20の法則」と優先順位 |
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| フェーズを繰り返すことによる安定した運用 | ||||||||||||||
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アジャイル開発は「実装されたソフトウェアを母体として保守・改修を繰り返す」という点で、既存のソフトウェアの保守フェーズによく似ています。これはアジャイル開発が変化を抱擁できる要因の1つに、「アジャイル開発は開発ではなく、保守・改修のようにソフトウェアをビルドアップしている」からではないでしょうか。 アジャイル開発で実装するソフトウェアに必要な条件として、変更や改修のしやすさがあげられます。変更や改修がしやすいソフトウェアは設計と実装がシンプルでなければなりません。設計と実装がシンプルであるということは、バグの介入しにくい品質の高いソフトウェアを維持していくことが容やすになります。 さらに、アジャイル開発の開発フェーズにおいて常に保守に似た作業を繰り返しているということは、開発フェーズの終了した後の保守フェーズにおいても開発フェーズと同じようなコストで保守・改修できるようになるのです。 ![]() 図5:開発期間の保守 このことは、アジャイル開発が従来の開発手法と比較して運用開始後の品質が常に高い水準に保たれやすいことをあらわしています。また変更による保守に関わる費用が従来のように急に多額になるのではなく、ゆるやかな金額の増加で済み、変更に関わる保守予算を計画しやすいといえるでしょう。 これらのメリットを考えると、昨今のビジネスの変化が早い状況下においてはユーザニーズやビジネスニーズの高いシステム導入を早く実現し、高い投資効果を求める必要がある時には、アジャイル開発はソフトウェア開発のアプローチの1つの有効なアプローチといえるでしょう。 次回は、ベンダー側から見たアジャイル開発のメリットについてお話しすることにします。 |
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