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| スピーディな導入とカスタマイズ | ||||||||||||
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これまで使われてきたパッケージソフトの場合、これらの作業は開発業者に委託し、ユーザの手の届かないところでプログラム開発されることが多い。一度作ってしまった後は、容易に変更することはできない。それがユーザ自身の手の内で行えるとなれば、現場で使いはじめてみてから、実際に発生した課題や要望に応じて、柔軟に修正・調整していけることになり、よりユーザニーズに合ったアプリケーションを作ることができる。 また設定がスピーディに行えるということは、初期導入の早さにもつながる。 例えば、ある大手金融グループの企業では、2005年にセールスフォースを導入したが、検討開始からおよそ2ヶ月で、利用開始に漕ぎ着けた。これがパッケージソフトのカスタマイズ開発の場合には、半年以上はかかっただろうとされている。 必要になった時にすぐに利用できるという点は、今のビジネス競争において大きなアドバンテージである。 考えてみると、一般コンシューマが使っているインターネットの世界では、このように、様々なアプリケーションツールをユーザ登録の直後から利用できることや、画面上で柔軟に設定できることはすでに一般的になってきている。iGoogleでは、掲載コンテンツや表示レイアウトを自分で設定できるし、mixiなどのSNSでは情報の公開先やメール通知の内容や頻度を自由に決められる。 しかしビジネスアプリケーションの世界では、このレベルに達しているものはごく少数に留まっているのが現状だ。確かにビジネスアプリケーションは、一般向けアプリケーションよりも扱うデータがはるかに複雑である。しかしその複雑さ・難解さをあたかも特別なものとして、ユーザの手に渡さないできたのが現実である。 それが今、SaaSモデルの普及によって、エンタープライズの世界にもインターネットと同じレベルのユーザビリティが取り込まれようとしているということは、ある意味必然の流れとはいえ、いよいよ新しい時代に突入したといっても過言ではないだろう。 |
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| 知らないうちにバージョンアップされている! | ||||||||||||
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エンタープライズ系のパッケージソフトのバージョンアップといえば、通常数年に1回行われる程度のものである。パッケージの場合、次々にバージョンを増やしてしまうと各世代を管理できなくなってしまうため、あまり頻繁にはバージョンアップしたくないというベンダー側の事情があるのだろう。 一方でユーザ企業の側でも、パッケージ導入の際に独自のカスタマイズを施して作り込んでいるケースも多い。そのため新しいバージョンが出たとしても、それに対応しようとなると膨大なコストがかかってしまう。これらの双方の理由から、パッケージソフトをバージョンアップするのはそう簡単なことではない。 ところがセールスフォースの場合、驚くべきことに、ユーザも気付かないうちにバージョンアップが行われているのである。 ある日画面を開いてみたら、便利な機能が追加され、すぐに使える状態になっている。パッケージとは異なり、常に最新版だけをサポートしているので身軽である。 実際、ここ3年間のうちにセールスフォースでは20回以上のバージョンアップが行われたという。年に3回ユーザの要望を聞いて、数百項目にわたる改善を実施するそうである。 パッケージの場合、現実的にはバージョンアップへの対応体力・コストのために二の足を踏んで、陳腐化した古いソフトを何年も使い続けることを余儀なくされるユーザ企業が多い。それがセールスフォースならば、一定の利用料を支払っていれば、どのユーザ企業にも平等に最新の高機能が提供されるということの価値は、想像以上に大きいだろう。 このことも、一般コンシューマー向けのGoogleなどのサービスでは日常茶飯事に行われている。そしてGoogleのソリューションは日々進化を遂げている。 この身軽さを日常的に目にしながらも、我々はエンタープライズアプリケーションの世界はこれとは別物なのだといつしか思っていた。しかし、今SaaSの普及により、エンタープライズの世界でもこれと同じことが、着実に実現されようとしているのである。 |
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