|
||||||||||||
| 1 2 3 4 次のページ | ||||||||||||
| はじめに | ||||||||||||
|
Web 2.0とは、「大量の情報と消費者のアテンションをコントロールすることで、Webビジネスを成功に導く手段の総称」である。本連載で紹介してきた手法や技術(サービス型ソフトウェアやCGM分析など)も、大量の情報と消費者のアテンションをコントロールするための現時点でのベストプラクティスに過ぎない。 今後、大量の情報と消費者のアテンションをコントロールする手法や技術が新たに登場する可能性もある(大量の情報と消費者のアテンションをコントロールする以外の方法でWebビジネスを成功に導くことができるようになるかもしれないが、今回はこの議論はしない)。 この先、大量の情報と消費者のアテンションをコントロールする方向性の中で、何が課題となり重要となっていくのか。第5回では、それを現在顕在化している未来への兆しを元にWeb 2.0の進化の行く末を解説する。 |
||||||||||||
| 肥大化・多様化する情報 | ||||||||||||
|
過去、インターネット世界への入り口は、企業やごく一部の消費者に限られていた。それが現在、blogやSNSを通じて消費者自らが情報を作り出すCGMが普及しはじめ、より多くの消費者にインターネット世界への入り口が開放された。個々の消費者の力は弱くとも集団となったCGMは大きな力を持ち、企業にとって既に無視できない存在となっている。 この流れの中でフロント型企業は、消費者からより多くの情報を吸い上げる仕組み作りに余念がない。写真、動画、音声、タグなどといった文章(テキストデータ)以外の様々な情報をインプットさせる新サービスを提供しはじめている。 これは、いかに大量の情報を自社のコントロール下におき、消費者を知り、消費者のアテンションをコントロールできるかが、Webビジネス界で勝ち組になる重要なファクターとなるからだ。すでに携帯電話では、撮影した写真や動画をblogやSNSなどにアップさせる仕組みがある。 また、消費者自らが意識して発信する情報以外に、消費者が無意識の内に情報を吸い上げる仕組みも検討され提供されはじめている。GPSやRFID、情報家電、携帯電話などがそれにあたる。無意識とまではいかないが、自分のために作成したフォルダやブックマークの共有もそれに近い話である。 このように消費者が自ら意識するかしないかに関わらず、情報は無秩序に恣意的にインターネット世界に蓄積されていく。今や情報過多の状態にあり、情報は集めたが、それを有効に活用することが困難な状況になりつつある。 ![]() 図1:情報の肥大化と多様化 出所:野村総合研究所 |
||||||||||||
| 汎用的なWeb検索の限界 | ||||||||||||
|
現在、消費者から見た情報利用の主な入り口は、GoogleやYahooなどが提供するWeb検索エンジンである。消費者は、インターネット世界に集められた情報の中から適合性の高い(自分にとって有益な)情報を効率よく探し出して活用したい。 しかし無秩序に恣意的に蓄積された情報から適合性の高い情報を的確に探し出す方法は、成熟しているとは言い難い。あまりにも急速に情報が肥大化・多様化したため、蓄積と利用(Web検索など)との間に歪みが生じている。 一般的に、適合データを検索できるかどうかは、適合率と再現率という言葉であらわされる。理想は、適合率も再現率も同時にあげることだが、現在それを実現する検索アルゴリズムがないことから適合率と再現率はトレードオフになっている。 また筆者は、適合性という言葉は、単に検索キーワードとの適合性以上の意味を持つと解釈している。そのデータが適合したデータであるかどうかは人によって異なる。例えば、同じ検索キーワードで同じ結果を得た場合も、その人のスキルや検索目的、状況から違いが生じる。 ![]() 図2:適合率と再現率 出所:野村総合研究所 |
||||||||||||
|
1 2 3 4 次のページ |
||||||||||||
|
|
||||||||||||
|
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
|
||||||||||||
|
||||||||||||



