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| 何のため、利益を出すためのITか〜「戦略」シナリオの必要性 | ||||||||||
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「ITはツールにすぎない」という話がよくある。しかし「ツール」と定義するためには、「目的」を明確にする必要がある。でなければ、ツールが目的化してしまうというもっとも危険なシナリオを避けられないからだ。 「第1回:なぜ『リーダーシップ』がITの成否を分けるのか?」では、「変革とは分散された『目的』を改めて統合していくプロセスである」と解説した。上記の「ツール」論の中で、決定的に「目的」論が欠如しているケースが多い。目的が共有されていない企業は、IT導入の議論も上滑り、長期化、複雑化、延いては高コスト化する傾向がある。 逆にIT導入はチャンスでもある。ITをきっかけに、具体的な「事業戦略」「優先順位」に改めて切り込むことができる。戦略とは、よく使われる言葉であるが、私はシンプルに以下のように考えている。
表1:戦略の3つのステップ IT導入を検討する際にも、上記3つの視点をリーダーが常に頭に描く必要がある。POSシステムに社運をかけたセブン・イレブン社にせよ、強固なナレッジマネジメントで世界的なベストプラクティス共有を実現した、私が以前在籍していたアクセンチュア社にせよ、トップが「何が自社の競争優位になりうるか」を明確に意識し、システムを構築している例だと思う。 特に鈴木敏文氏は、当時の小売・流通業界では異例のIT投資をしたことで、周囲との軋轢もあったと聞くが、自社の競争優位、成長シナリオから不可欠と判断された。しかも、鈴木氏自身は人事畑出身であり、営業も、ましてITのことも詳しくない。彼にあったのはまさにリーダーとして未来の機会を発見し、リソースを効率的に活かし、他社からの圧倒的な参入障壁を築く、という発想であった。 一方で、こういうお話をすると、「営業支援システムやERPなど、社内で使うシステムはコスト削減目的だから、あまり戦略とは関係ないのではないか」といわれる。しかし、そのような発想では大きなIT投資効果は望めない。 たとえいわゆるコストセンターという位置づけの部門・社員であっても、「自分たちの仕事の進め方や時間の使い方が、会社全体の戦略や利益にどう貢献していくか」という共通イメージを持てていないと、「部分最適で分断されたシステム」や「本質的には不必要なアドオン、カスタマイズ開発」のような結果になり、IT構築という投資に対して、全社として利益が生まれないのである。 そのためバックオフィスシステムでも、以下のような視点が必要だと考える。
表2:バックオフィスシステム導入に求められる視点 ただし、残念ながらそこまで考えられてITの導入を検討されている会社は少ないのではないだろうか。 |
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