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| TCO削減のために考慮すべきシステムのライフサイクル | ||||||||||||||
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既述のようなアプローチに対して、「事前調査には資金をかけたくない」「検討期間は短くしたい」といわれるお客様も多い。ベンダーの中にも、「とにかくはじめにメインフレームをなくすことが先決であり、アプリケーションの再構築は経営戦略に基づく業務改革のタイミングなどでやればよい」というような、目の前のマイグレーション案件を確保することのみの提案を行っている場合が見受けられる。 しかしながら初期導入コストを抑えたつもりでも、そのシステムを使い切るまでの数年間の維持コストがかさんでしまっては、TCO削減の達成は実現しない。まさに、安物買いの銭失いである。 システムの企画にあたっては目の前のシステム移行案件のことだけでなく、「ハードウェア/ソフトウェアの製品選定」「アプリケーション開発」「システム導入」「運用と保守」「次の企画」といった、システムのライフサイクルの考慮は必須というのが当社の考え方である。 |
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| システム価値の持続と向上に向けて | ||||||||||||||
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当社は新日本製鐵株式会社のメインフレームとオープンシステムが混在した基幹システムの開発・運用・保守を、長い間のライフサイクルを通じて取り組んできた。数年前から全国10箇所の各製鉄所でレガシーマイグレーションを実行してきており、1987年には全製鉄所で30台あったメインフレームを23台まで削減してきている。 決して停止してはならない操業系システムのオープン化を含め、それらを実行してきた経験からすると、一般的に紹介されているレガシーマイグレーションをめぐる話題には「再構築後のシステム価値を持続する視点が乏しい」という印象がある。 本連載の第1回「そもそも、レガシーマイグレーションとは何か」において、レガシーシステムとは「長期的に使用されているシステム」という定義が一般的になってきていると述べた。つまり、すべてのシステムはITの技術革新とともにいずれ必ずレガシー化していくことになる。 ITの技術革新の速さを「人間の7年が犬の1年に相当すること」になぞらえてドッグイヤーなどと称しているが、そのようなドッグイヤーさえ超えそうな変化の中、いかに「システムを負債ではなく資産として活用していくことができるか」ということがレガシーマイグレーションに求められているのであろう。 例えば「レガシーシステム自体には手を入れず、外部のシステムからレガシーシステムが提供するサービスにアクセスできる」ことを可能にする「ラッピング」という手法はSOAの視点から見たレガシーシステムの有効活用法の一例であるといえる(ただしレガシーシステムのスパゲッティ状態は解消されず、レガシーシステム自体の運用コスト削減は期待できない)。 |
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| おわりに | ||||||||||||||
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以上で本連載は終了するが、本連載の内容がレガシーマイグレーションの理解に少しでも役立つのであれば幸いである。最後にシステム部門やユーザの方々に、「自らのシステムの未来についてはベンダー任せにせず、その提案内容をしっかりかみ砕いて、自らの判断でどうするべきかを全体を見ながら選択していくこと」を推奨したい。今後も当社としては、より効率的なマイグレーションのあり方、新たな技術やメソトロジーの開発に挑戦し続けていく。 |
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