チケットドリブン開発の例
チケットドリブン開発の流れは次のようになる。
チケットドリブン開発の流れ
1. 依頼主がチケット登録
まずはチケット作成である。作業依頼主が、その作業に関するチケットをTracに登録する。依頼主がTracに精通していない場合は、作業者や別のマネージャが代理で登録してもかまいまわない。
2. チケット精査
チケットの範囲が大きすぎる場合、作業しやすいように適当な大きさに分割する。これは主にマネージャの仕事である。大きすぎる場合などは作業者が自分で行ってもよい。
チケットは1人が3〜4日か、それ以下でできる作業が望ましい。またソースコードのコミット時にチケット番号を付与することを考えて、ソースコードで作業する単位でチケットを切ると作業が楽になる。
3. チケットに着手する
作業に着手する前にチケットの状態を「assinged」にする。これにより、誰がどの作業をしているのかを問い合わせなくても、誰でも把握することができる。
4. チケットに関するやり取り
チケットに関する質問は、コメント欄で行う。もし、口頭などでチケットに関する質問をしても、履歴を残す意味で必ずコメントとして残すことをおすすめする。
5. チケットに関するソースコードをコミットする
処理中のチケットに関するソースをコミットするときには、コミットメッセージに必ず「refs #2」や「fixed #2」という文字を入れ、どのチケットを参照しているかを明確にすることが大切だ。これはソースとチケットを連携するTracの機能を利用している。また、4と5は必要に応じて繰り返し行っていく。
6. チケットを依頼主に戻す
チケットに対する作業が完了したら、作業者は作業完了のコメントを書き、チケットの所有者を依頼主に変更する。チケットは作業内容の確認のため、作業者が自分で閉じるのではなく、依頼主にチケットを返すことで作業完了とする。
7. 依頼主は作業内容をチェックし、チケットを閉じる
依頼主は戻ってきたチケットと作業内容をチェックして、正しく作業が行われていればチケットを閉じる。もし、作業内容に不備などがあれば、チケットの所有者を作業者に変更して、4番へ戻る。
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