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| エンジニアのモチベーションの維持 | ||||||||||
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そしてこの話し合いの内容をエンジニアに伝えたところ、「今の永田町と兜町の状況なみにプロジェクトの見通しは悪いけど、当初の納期に間に合うように頑張るよ」という回答がありました。 エンジニアとしては正直モチベーションを維持するのは難しいプロジェクトでしたが、Bコマースの現状の作業状況に対する一定の理解を得られたことでやる気を復活させていたようです。その後、昼夜問わずに徹夜で作業を進める日もありました。 筆者もこのプロジェクトを受注した責任がありましたので、テスト工程では一部作業の手伝いもしました。それほどさしせまった状況だったのです。しかし当初の納期に間に合わせることができず、ある程度のクレームがBコマースからあることを覚悟した上で再度J氏を訪問しました。 |
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| 納期延長の打診 | ||||||||||
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「いやぁ、正直お話しますと当初から無理がある納期であるのはわかっていました。また御社のせいだけではなく、当社側にも非があるのは十分理解しています」と、意外にも穏やかにJ氏が話かけてきました。 結局のところ、Bコマースの責任ある立場としてJ氏は当社に対して様々な要求を出していましたが、個人的な立場からすれば結構無茶なことをいっていることを理解しているようでした。 ここでポイントとなったのが、J氏の信頼できる人柄であり、また、Bコマースの開発方法に戸惑いながらも当社のエンジニアがしっかり仕事はしているという事実です。 しかし納期を延ばしたとしても、完成させなければならないことには変わりないので、今後の作業をどうすべきかについて話し合いをすることになりました。結局、2週間後には完成できることを約束してその日は帰りました。 その後は徹夜作業をすることもなく、キッチリ納品を行い、プロジェクトは期限通りに終了しました。 |
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| 納期延長のフォローを経て | ||||||||||
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その後、プロジェクトの打ち上げがあり、当社のエンジニアとJ氏を含めたBコマースの開発メンバーで飲むことになりました。 J氏から「納期通り開発していただいて、ありがとうございました」という挨拶がありましたが、「いやぁ当初の納期には遅れてしまい、すいません」と筆者は返しました。いくら無茶な納期や特別な事情があったとはいえ、一度受けた納期が延びたことには変わりはありません。 J氏は「いやいや、でも最後にお約束いただいた納期に間に合わなかったら、この飲み会はなかったかもしれませんね」と笑いながらJ氏は話していましたが、目は決して笑っていなかったように思います。とはいえ、この後も営業側・エンジニア側双方の努力もあり、現在でもBコマースとはお付き合いが続いています。 |
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| セルフコントロール | ||||||||||
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営業を行う上でクレームや問題がなければどれだけよいだろうと思うことがありますが、これはまずなくなることはないでしょう。また今回のようなケースですと、最初から問題がおきる可能性が高いプロジェクトは受注しなければよいという判断もあるかもしれません。 ただ、一般的に新規に顧客を開拓することはすでにリレーションがしっかり取れており、顧客のことを熟知している既存の競合業者があることを考慮する必要があります。そうはいってもそれは非常に難しく、このようなプロジェクトをキッカケとして新規開拓のために受注することもあるでしょう。 重要なのは「問題が発生した時にどれだけ早期に、かつ誠実に対応できるか」ということだと思います。その対応の結果が「顧客との信頼関係」という名の橋を顧客と自社の間に構築し、その後も長いお付き合いができるのではないでしょうか。また、クレームや問題を解決するためにはそれなりのメンタル面の強さが要求されます。 どんな仕事であれ、自分が思う通りに物事が運んでくれるのは稀でしょう。だからこそ、場面場面に応じて自分の感情をコントロールし、落ち込むことなく冷静に状況を判断し、誠意を持って顧客に対応していくことが営業スタッフに必要な能力の1つだと思います。 最後に本連載を6回に渡り読んでいただいた読者の皆様、ありがとうございました。 |
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