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ERP市場の実態と中期展望
第4回:ERPパッケージのモジュール別販売動向
著者:
矢野経済研究所 赤城 知子
2005/10/13
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「財務会計ソリューション」のライセンス売上高シェア
ERPパッケージ全体市場における「財務会計ソリューション」でトップはSAP Japanになり、シェアは17.5%である。次いで富士通のGLOVIA-Cが14.8%で2位、3位は住商情報システムのProActiveで14.6%、4位はミロク情報サービスのMJSLINKで8.6%、5位は富士通のGLOVIA/SUMMITで8.2%となっている。
図2:財務会計ソリューションの2004年実績のライセンス売上高シェア
(エンドユーザ渡し価格ベース)
財務会計ソリューションにおいては、首位を外資系ベンダーのSAP Japanが押さえた以外は国産勢のソリューションがめじろ押しとなっている。
特に富士通は、顧客の年商規模に合わせて中堅企業にはGLOVIA-C、大企業にはGLOVIA/SUMMITを提案しているが、両者のシェアを合わせると23.0%となり製品ベースではSAP Japanにおよばないものの、ベンダーベースではシェアトップである。
本シェアは売上規模をエンドユーザ渡し価格ベースに換算・推定して算出したシェアであり、累計導入社数や新規導入社数によるシェアではないことを付記しておく。
「人事給与ソリューション」のライセンス売上高シェア
ERPパッケージ全体市場における「人事給与ソリューション」でトップはワークスアプリケーションズのCOMPANYでシェアは29.0%である。次いで富士通のGLOVIA-Cが11.9%で2位、3位はSAP Japanで10.2%、4位は住商情報システムのProActiveで7.8%、5位はオービックのOBIC7で7.4%となっている。
図3:人事給与ソリューションの2004年実績のライセンス売上高シェア
(エンドユーザ渡し価格ベース)
人事給与ソリューションマーケットでは、首位のワークスアプリケーションズがほかのベンダーと比較して頭一つ抜けたポジションをキープしている。
国内企業のビジネス習慣にきめ細かく業務適用をしている国産系の「人事給与ソリューション」の占有率が、外資系の「人事給与ソリューション」よりも圧倒的に高い結果となっているが、そのような中で、SAP Japanが3位に食い込んでいる点は注目すべきである。
また、米国ではすでにOracle Corpolationの傘下となったPeopleSoftの人事給与ソリューションが、国内市場において5.5%のシェアを有している。PeopleSoftの人事管理ソリューションは、NTTグループなど超大手企業への導入で話題となったソリューションであるが、今後国内においても日本オラクルと統合によって、より一層シェアを伸ばしてくるだろう。
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著者プロフィール
株式会社矢野経済研究所 赤城 知子
1989年矢野経済研究所入社。半導体・電子デバイスのマーケット担当から、1996年より「クライアントサーバを中心とした企業のコンピュータシステム導入実態調査」を手がける。1998年よりリサーチのフィールドをソフトウェア業界へと移し、主にERPやCRM、SCMといった企業向けアプリケーションパッケージのマーケットを専門に調査・分析を行う。
INDEX
第4回:ERPパッケージのモジュール別販売動向
ERPパッケージ全体市場における業務ソリューション別売上比率
「財務会計ソリューション」のライセンス売上高シェア
「販売管理/CRMソリューション」のライセンス売上高シェア