連載 :
実践!仮想化技術「Xen」の活用方法クラスタリングサーバも怖くない
2006年6月19日(月)
ケーススタディ「クラスタリングサーバ」
第1回と同じある架空のSI会社で、今度はBさんが困っています。Aさんは社会人2年目で、BさんはAさんの同期でサーバが大好き、Cさんは入社5年目で困難な事象も仮想化技術で解決するのが好きな人です。
- 同じプロジェクトのロードバランサのテストをすることになったんだ。何かいい方法はないかな?
- 君らしく、その辺でパソコンを調達してLinux入れればいいじゃないか?
- 簡単にいうけどさ。テスト用にWebサーバ5台も用意できないよ。ただでさえ狭いデスクのどこに置くんだい?
- Xenって知っているだろう。あれを使うと簡単にできるよ。
- そうだな。そういう時もXen使ってWebサーバ構築すると楽だぞ。
- そうですね。僕も試してみます。
- Aさんがマスターイメージ作ったはずだからコピーしてもらうといいよ。
- Aさん、お願い、マスターイメージをください。お昼ごちそうするから。
世の中に出回っている大半のロードバランサは、1Uか2UのIAサーバで構成されています。いざとなった場合、デスクの上にギリギリおけるサイズです。
ところでクラスタリングに必要なWebサーバは何台でしょうか。最低でも2台必要で、大規模なシステムですと数10台規模のWebサーバが必要となる場合があります。よってテスト環境だけでも5、6台必要となる場合があります。
物理的なサーバは本当に必要ですか。誰が買ってくるのですか。予算が有り余っているプロジェクトでもない限り、難しい話です。
ロードバランシングは奥が深い
ロードバランシングと一口にいっても、以下のような方式があります。
- DNSベース方式
- NATベース方式
- DSR(Direct Server Return)方式
また、転送先サーバを決定するアルゴリズムも種類があります。
- 単純なラウンドロビン方式
- 重み付けラウンドロビン方式
- システムの負荷を監視して決定する方式
- セッション情報を元に振り分ける方式
テスト環境での事前検証なしで、システムテスト当日に完璧な設定ができますか。できることならば事前にある程度確認しておきたいものです。
こんな時、仮想化技術を活用することで簡単にテスト環境を用意できます。
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